書き込みは初めてです。そんなに怖くはないけど、当時小学生だった私はかなりゾッとしたので。
小学六年生の修学旅行の時、ベタですが夜に泊まった旅館での話です。
部屋は6人~8人で1部屋、2クラス合わせて女子は40人を少し超える程度だったので、6部屋くらいが女子の部屋として割り当てられていました。
自由時間は皆、友達のいる部屋を見て回ったりしていたのですが、1部屋だけ、おかしな部屋がありました。
おかしいと言っても間取りは他の部屋と何ら変わりません。
ただ、天井の付近の梁の、普段ならそんなところに傷がつかないようなところに引っ掻き傷がいくつかあったり、ちょっと不気味なシミがあったり。
果てには備え付けの引き出しの中に御札まであったらしく、修学旅行でテンションの上がった小学生は怪談話で大盛り上がり。
結局、担任の先生が各部屋事にインスタントカメラで写真を撮りに来るまでに、「おかしな部屋」の噂は女子の間を駆け巡りました。
私はオカルトは好きですが、一緒に騒ぎつつも、その時点ではその部屋についてはみんなテンションが上がって大袈裟に話を盛っているのだと心のどこかで思っていました。
きっとみんな一緒で、修学旅行の定番の怪談話で盛り上がりたかったのだと思います。
そのまますっかり夜が明けて、次の日のバスの中、私の隣に座っていたのは「おかしな部屋」に泊まっていた班の1人のAちゃんでした。
特にAちゃんも何も言ってこなかったし、私も半信半疑だった「おかしな部屋」のことなど、旅館を出てしまえばすっかり忘れていました。
「そういえばAちゃん、朝はごめんね」
そう声をかけてきたのは後ろの座席に座っていたBちゃんでした。「なにが?」とAちゃんは聞き返します。
B「今朝、4時半頃なんだけど、誰か班の子起きてなかった?」
A「あー起きてたかも、なんで?」
Bちゃんの話を要約すると、Bちゃんは「おかしな部屋」の隣部屋に泊まっていたそうです。
朝方目が覚めたBちゃんは、同じく目が覚めたCちゃんと、隣の部屋の子達は起きてるかな?と言う話になり、「おかしな部屋」に繋がる方の壁をノックしてみたそうです。
するとノックが返ってくる。
起きてるんだ!と嬉しくなり、ノックをしてはノックを返されるを何度か繰り返したあと、ドン!!と強く「おかしな部屋」側から壁を叩かれたそうです。
B「朝早い時間だったし、もしかして無理に起こして怒らせたかなって。起きてた子に謝りたくて」
しかし、その話を聞いているうちに、Aちゃんの顔からはみるみる血の気が引いていくのを、隣に座った私は見ていました。
A「……居ないはずだよ誰も」
B私「え?」
今度は、Aちゃんが話始めました。
Aちゃんはあの部屋で夜中の2時半頃、他のメンバーにたたき起こされたのだそうです。その時には他のメンバーはなぜが全員顔面蒼白で、Aちゃんの周囲に固まっていたらしいです。
「先生達の部屋に行こう」
言われるかまま班全員で女性教師陣の部屋に行き、そこで他の子達の訴えを聞いてようやくAちゃんは状況がつかめました。
曰く、ラップ音が酷い。
消灯後、ラップ音が鳴り出し、それがあまりに酷くAちゃん意外のメンバーは誰ひとり眠れなかったそうです。
中には具合の悪くなる子まで現れ、班のメンバーはちょっとした恐慌状態。唯一そんなもの関係なしに眠るAちゃんのそばにいると、少し楽になるため、全員でAちゃんを囲むようにして耐えていたそうです。
それが耐えきれなくて先生の部屋に移動したのが2時半。
このまま眠れなければ翌日の日程に差し障るからと、教師陣か旅館に掛け合って別の部屋を準備してもらい、荷物を持って移動を完了したのが3時半。
つまり、4時半には、その部屋にだれもいないはずだと、Aちゃんは言うのです。
あまりにリアルで、その時は誰も盛り上がる気にもなれず、
「きっと旅館の人か先生が、部屋に忘れ物の確認や清掃に行ってたんじゃない?」
という事で話を締めましたが、Aちゃん達が夜中に部屋を変えてもらったという事実がある限り、やはり今でも、少しゾッとした出来事でした。