これは私ではなく昔していたバイト先(夜勤)の先輩たちの体験談なのですが、仕事も終わりみんなで飲んで帰るかという話をしている最中、 A先輩は「折角夏だし肝試しでも行かね?」と言いました。
どうやら廃墟の病院を見つけたとかで、
オカルト好きのA先輩は一度行ってみたいと思っていたそうです。
みんな「面白そうじゃん。」ということで行くことに決まったようですが、
そのうちのB先輩はあまり行く気が無かったらしいです。
B先輩は霊感というものがあるらしく、 そのような場所に行くのは賛成ではなかったみたいです。
しかしみんな行く気満々なのに反対するのもあれなので 仕方なく付いていくことにしたそうです。
その後C先輩の車で山道を進んで廃墟病院に向かいました。
あたりは電気一つ無く真っ暗で(午前3時位らしいです)
林の中にポツンとその病院があったそうです。
門には大きな鎖が何十にも掛かっていたそうです。
でも塀が崩れかけている部分があり、 そこから中に進入することが出来たそうです。
B先輩は寒気がするというので車に残ることに。
その他の先輩たちは廃墟に侵入、中を探索しました。
しかしこれといった収穫も無く、 つまらなくなってきたので帰ることに。
最後に病院に残ってた手術道具と一緒に写真を数枚取って
廃墟をあとにしたそうです。
数日後、 「何も出ないし、行って損したわー。」
と私はA先輩から愚痴を聞かされ、 そりゃ出るとかそういうのってそんな簡単に体験出来るもんでもないしなぁ とその時は思いました。
すると写真を現像したC先輩が不安そうな表情でやって来ました。
「おい、写真が何か変なんだよ。」 A先輩と私はその写真を見ました。 そこに写っていたのは、笑顔で手術道具を持つD先輩と D先輩に覆いかぶさるような大きな白いもやだったのです。
誰か煙草でも吸ってたんじゃないの?という話になりましたが
誰も吸っていなかった模様。もちろん霧なども無かったそうです。
さらに廃墟全体を写メしたD先輩の携帯が壊れたらしいです。
これは大変(面白い意味で)だとなり、 その時一緒にその場にいた怖い話好きな後輩のE君が
「どうして僕も連れてってくれなかったんですかー!」 と言い、みんな止めたんですがA先輩とE君はその後また廃墟に向かったそうです。
その時は夕方らしかったんですが、 どう考えても前来た時より明るく見渡しがきくのに、
何度探してもその廃墟の病院が見つけられなかったそうです。
これはその後私がB先輩から聞いたことなんですが、
「あの時車から降りるとヤバイ気がした。 だって辺りは暗かったけど雲ひとつ無い綺麗な夜空だったのに あの病院の周りだけ白いもやみたいなのが覆っていたんだ。」
私はその後そこのバイトを止めてしまったのですが、
今でもD先輩のことが気がかりです。 あの時見た写真は未だに忘れることが出来ません。。