俺も携帯から実話長文自分語りする。
小さな賃貸マンションで一人暮らししてる。他の部屋は家族ばかり。
付き合ってる彼女と暮らせたらなぁとここを借りた。
まあ複雑な事情があって、彼女が部屋に来ることは年に一回もない。
週一くらいで俺が彼女の家に遊びに行く付き合いが続いている。
俺自身も色々あり、ここ半年はほぼ引きこもり。汚部屋状態。
眺めのよい三階建ての302号室。
友達もおらず、2chとネットと睡眠と読書の日々。
一ヶ月くらい前の出来事。
夜、風呂に入っていた。
いつものようにまずお湯を浴び、のんびり湯船につかり、次に頭を洗う。
体を洗っているときに、風がスーッと吹き込んできたのに気が付き、手を止めた。
ドアの下部にあるスリットからだった。
玄関から誰かが来て風が動いたのかな思った。
『彼女かな?』
ドアを開けて部屋の様子を伺うが何の物音もしない。
彼女なわけない。ベルも鳴らさず夜に突然来るはずがない。
彼女はうちには来ない。というか、うちには誰も来ない。
『ベランダの窓からの風かな…』
なんとなくしょんぼりしてまた体を洗い、湯船につかり、風呂を出た。
それからいつもと何も変わらない引きこもりの日が二日続いた。
三日目に異変が起きた。
また風呂に入っていた。
引きこもりなので風呂はいつも二日おきくらい。
いつも通りお湯を浴び、湯船につかり、湯船から出て椅子に座り、
シャンプーし、手桶で頭からお湯をかけシャンプーを流し、
ふと天井を見ると、メンテナンスの為に作られている押し上げ蓋(扉?)が10cmほどずれている。
手を止めて隙間から見える暗闇を見つめる。
『伸びとかしてぶつけたっけ?』『風呂に入る時には気が付かなかったな』『いつからだ?』
押し上げ蓋は30cm四方くらい。引越してきたときに覗いたような気がする程度。
『ま、いっか』
20秒くらい見つめた後に立ち上がり蓋を少し持ち上げズレを直した。
体を洗いながら思い出し、そして気付いた。この前の吹き込んできた風のことを。
風呂に窓は無く、部屋に風が吹こうとも空気が入ってくるのはおかしいと。
だいたい俺は冬でもいつもベランダの窓は開けてたのに、
風呂に風が吹き込んでくることなんて一度もなかったことを。
湯船につかりながら天井を見つめる。
『つい最近、誰かがここを開けたんだ…そして閉めなかった…』
今まさに天井裏にいるのか、この前の時にいたのか。
それから数日とても緊張した日々が続いた。
ちょっとした物音にも敏感に反応し、眠る時も明かりはつけたまま。
廊下を通る足音がする度に覗きに行き、携帯メールにも怯えた。
風呂は短めに、天井の押し上げ蓋を見つめ動かした形跡がないかを何回も確かめる。
幽霊のたぐいかもしれないと、このオカ板を見るようにもなった。
日にちが経つごとに、自分が本当に一人なことに気が付いた。
もし三階に住む誰かが覗きか盗みの目的で天井裏を行き来していたとして、
他の誰かがそれに気付き警察に通報し、捜査が行われたとしたら、
自分は最も疑われるだろうと。
男一人暮らし、無職引きこもり、汚部屋。アリバイもない。
慌ててHDDのエロ画像と動画は全て捨てたが何の役にも立たない。
もし自分が侵入してきた誰かに殺されても、発見されるのは相当遅れるだろう。
俺はこの広い広い世界で誰とも繋がっていなかった。
それが今なによりも怖い。
埼玉東部で一人暮らしの男が部屋で何者かに殺されたら、この書き込みを思い出してほしい。
以上、長文すまんかった。