怖い話。
私は地方で一人暮らししている女です。
古いアパートに住んでます。
そのアパートでの話です。
ある日、アパートから帰ってきて郵便受けを見ると、
中にカッターナイフが入っていました。
カッターは、文房具屋に売ってそうな普通のカッターです。
最初にそれを見たときは怖いとは感じず、
何コレ?と思いながらカッターを取り出して、
マナーが悪いかもしれませんがその辺に置いていきました。
しかし次の日も次の日もカッターが入ってました。
なんなんだろう、ストーカーかな…?と思ってました。
そんなある日、いつもより早めにアパートに帰ってきました。
そこでばったり、私の郵便受けのふたを開けて何か入れてる
人を見てしまいました。
痩せた女の人でした。
怖かったけど、少なくとも大柄の男性とかじゃなかったので、
やめてください、と言いに行くことにしました。
女の人は意外と普通な人に見えました。
すみませんすみません、と謝ってくれました。
私は、「なんでこんなことしたんですか」と聞きました。
すると女の人は、何故かゆっくりゆっくり頭を下げました。
そして、すごく上目使いになって、私を見つめてきました。
で、低い小さな声で「聞ぃきぃたいんですかぁー?」と。
私が何も言えずにいると、女の人は「ふふふふふふふふふっ!」と笑って
私の郵便受けからさっき入れたらしいカッターを取り出し、
自分の手首をザクザク切り始めました。
よく見ると彼女の手首には赤い傷跡がいっぱいありました。
手首、というか、ひじの内側の辺りまでびっしり。
そして女の人は、私の隣の郵便受けに血の付いたカッターを
突っ込むと、
ふらふら去っていきました。
私の隣の郵便受けの人は、私と同じ苗字の人でした。