昔の家電には、イタズラ電話よくかかってきてたなぁ
指を適当にパタパタしてたらかかっちゃう的な
番号だったからだろうとは思うけど…
学校から帰ってきたら、母親からの電話を待っていた
電話代がもったいないからと
『1コールで切れたら美容院・2コールならスーパーに迎えに来い』と
決められていた
『3コール以上なら他人からだから出るな』
とは言われていたが、ほとんど出ていた
そしてそのほとんどがイタズラ電話だった
無言電話がほとんどだったけど
一回だけ、会話を交わした覚えがある
「おう、○○(←私の名前)か?」と呼びかけられたので
親戚の誰かだろうと思った
「いくつになった?」
「10歳です」
「そうか、じゃあ母親も元気だな」
ここで違和感を感じたのを覚えている
それからその男は、私の将来の話を始めた
将来の話と言っても「将来なにになりたい?」とかじゃない
「○○が15の時に祖父が死ぬ・20で母親・25で祖母・30で父親だ」
10歳児には記憶は出来ても理解は出来ない話だ
電話は、すぐに切れ
すぐに2回鳴った
スーパーだ…
買い物をしながら母親に話した
「あんた、電話に出たん?」
忘れていた…電話に出ては駄目と言われていたんだった
「絶っっ対!出たら駄目よ。ホント、忘れんでね」
真剣な母親の表情を記憶している
そして結局、祖父母・両親ともに
その年齢の時に亡くなった
母親の時に思い出し、父親の時は楽しみにしていた
(父親とは仲が悪かったからな)
オカルトだと言い張るつもりはない
20の時にでっち上げた嘘の記憶かもしれない
でも30を迎える前辺りの頃に
「もうすぐ父親は死ぬ」と知っていたのは間違いない
そしてそれは、私の記憶の中では『イタズラ電話の男に聞いた話』だ