人間の怖さ

【後味の悪い話】聞こえていた会話

655: 本当にあった怖い名無し 2006/09/06(水) 13:17:24 ID:EMkmt3pJ0

おれが当直だった夜に、急患でおれは叩き起こされた。

20141225b

 


急変とかで、まあよくあることだ。
処置室に行くとちょうど患者が救急車で病院に着くときだった。
救急車からストレッチャーで下ろされたのは、真っ黒に焦げた死体(にみえた)
だった。救急車のスタッフにきくと、交通事故をおこしたドライバーで
引火した車のなかで取り残されたらしい。50代位の男性だった。
一応、生きてはいるが、そりゃもう表面なんかコゲコゲで肉の焼ける
においがあたりに立ちこめ、俺はもう吐き出しそうになった。
全然動く気配もない。もう時間の問題だ。
「すごいですよ。一応心停止してません。まあ、もうだめでしょうけど」
と救急隊員は言った。
医師も「あー、こりゃすごいね」と言って治療をする気もなさそうだ。
「ひどい・・・・」看護婦も目が怯えていた。

俺は一応検査をするための準備にかかった。
機器を用意している部屋に入って準備をしていたら、その黒こげの患者が
運ばれてきた。
おれは腕に検査の為に針を刺すのでその患者の血管をさがしたが
表面が黒こげでどこに血管があるか分からなかった。
「あー、これ、メチャクチャでどこだか分かんないよ」と俺は言った。
皮膚のまともなとこを探そうと腕をつかんだとき、その黒こげ患者が言った。

「・・・そんなに私、ひどいんですか・・・・」

「あ、あ」俺は声にならなかった。ずっと意識はあったんだ。
今までの俺達の会話を聞いていたんだ。
その部屋の中にいた、医師、看護婦、俺、救急隊員、全員が凍りついた。
まあ、2時間もしないうちに患者は亡くなったんだが、
なんども「私はしぬんですか?」って聞かれて、おれたちは
不謹慎だが逃げ出したい衝動になんどもかられたよ。

 

 

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