114: 本当にあった怖い名無し 2015/08/22(土) 21:36:12.32 ID:gsj4RgR8O.net
大阪市営地下鉄の保線員をしている逸見さんの話。
逸見さんは主に大阪南部の地下鉄の保線をしているが、阪神大震災のおりには神戸近辺の他の路線の応援にも駆り出され、しばらくはろくに帰宅もできなかった。
保線作業は深夜、列車が止まっている間に複数の人員で作業をする事が多いが、その作業中妙な事を言う者が何人かいた。
線路の上を、沢山の人影がぞろぞろと歩いているのだという。
暗い地下鉄のトンネルの中を。
暗くてよくはわからないのだが、部屋着姿の人、パジャマ姿の人、中には半裸の人や怪我をしている様子の人たちもいるという。
はじめは、震災で列車が動いていない区間をやむなく歩いている人たちだろうかと思ったが、危険な地下鉄の線路内に一般の人たちを入れたとは聞いていなかった。
逸見さんは見てはいないが、一緒に作業をしていた同僚の中には、ただ線路の上を人影が歩いているのではなく、
トンネルの壁から壁、つまりは線路を挟んで右から左へと人影が消えていったと言う者や、作業をしているすぐそばを何人もの人が通って行った、と言う者もいた。
それに
「まさか」「いや何だろう」
と皆で言っていると、
「いいからほうっておきな」とそれまで黙って聞いていた倉本さんという年配の同僚が言った。
「そういうのがいても様子を見に行ったりついて行ったら駄目だよ。一緒に連れてかれちまうから」
「え?…あれってやっぱり」と影を見た者が言うと、倉本さんは頷いた。
「うん。俺にもわからないんだけどな。昔一緒に仕事してた奴に聞いたんだ。そいつは寺の次男坊でさ。なんでも、死ぬとあちらの世界まで通って行く道っていうのがあるとかでな。
でぇ、そういう道がこんなところにもあるんだろな。沢山の人が亡くなったからなぁ。だから団体になるんだろな。……見えても知らんふりしてな」
以後もトンネル内で複数の人影を見た、という者は何人かいたが、逸見さんたちは作業中に人影が見えても、懐中電灯で照らして姿が確認できない場合は放っておく様になったらしい。
保線作業は深夜、列車が止まっている間に複数の人員で作業をする事が多いが、その作業中妙な事を言う者が何人かいた。
線路の上を、沢山の人影がぞろぞろと歩いているのだという。
暗い地下鉄のトンネルの中を。
暗くてよくはわからないのだが、部屋着姿の人、パジャマ姿の人、中には半裸の人や怪我をしている様子の人たちもいるという。
はじめは、震災で列車が動いていない区間をやむなく歩いている人たちだろうかと思ったが、危険な地下鉄の線路内に一般の人たちを入れたとは聞いていなかった。
逸見さんは見てはいないが、一緒に作業をしていた同僚の中には、ただ線路の上を人影が歩いているのではなく、
トンネルの壁から壁、つまりは線路を挟んで右から左へと人影が消えていったと言う者や、作業をしているすぐそばを何人もの人が通って行った、と言う者もいた。
それに
「まさか」「いや何だろう」
と皆で言っていると、
「いいからほうっておきな」とそれまで黙って聞いていた倉本さんという年配の同僚が言った。
「そういうのがいても様子を見に行ったりついて行ったら駄目だよ。一緒に連れてかれちまうから」
「え?…あれってやっぱり」と影を見た者が言うと、倉本さんは頷いた。
「うん。俺にもわからないんだけどな。昔一緒に仕事してた奴に聞いたんだ。そいつは寺の次男坊でさ。なんでも、死ぬとあちらの世界まで通って行く道っていうのがあるとかでな。
でぇ、そういう道がこんなところにもあるんだろな。沢山の人が亡くなったからなぁ。だから団体になるんだろな。……見えても知らんふりしてな」
以後もトンネル内で複数の人影を見た、という者は何人かいたが、逸見さんたちは作業中に人影が見えても、懐中電灯で照らして姿が確認できない場合は放っておく様になったらしい。