電波稼業は霊を呼びやすい関連ですが、
その日も小さな編集室でスタッフ3人
VPの編集をしてた
そのスタジオはやや縦長の部屋で
入り口入って右半分がモニターと編集機材
反対側にはテーブルと無人のソファー
テーブルの上にはしけもくが2、3本転がった灰皿が一つ
入り口から見て突き当たりの壁側にはMacとWindowsが並んでた
繋ぎは概ね終わってて
テロップ確認しながら乗せたり場面転換のタイミング調整したり
そんな細々なことやってた
てっぺん回って1時近くだったかな
自分たちにはまだ宵の口って気分の時間帯
ちょっと前に遅い飯を食べてまだ休憩気分を残したままだらだら作業してた
編集機の前にはオペレーターが1人
その隣に椅子持ってきて並んで自分も一緒にモニター覗いてた
アラサーの女ディレクターはその間暇つぶしに壁際のMacでネット見てた
そこの編集室って普段天井の電気つけないんだよ
フットライトが入り口にあってテーブルの上に小さなライトがあってそんだけ
モニターたくさんあってそれで足りるって感じ
人の顔にモニターの明かりが反射してて
部屋の四隅は影に沈んでるのね
で、斜左後ろの位置になる女ディレクターをほったらかしにしてテロップが一通り乗ったことチェックしてたのね
そしたら急に女ディレクターが
「ぅわあぁ!!!」
って叫んでマジで椅子ごとひっくり返ったの
「何だ⁈どうした?!」って駆けつけたら
「今、話しかけられた」って言うの
額に汗とか浮かべてマジで震えてて
なんかね肩越しPCの画面覗き込んで回転数おかしくなったようなゆっくりとした低い男の声で
「ぬぁ~にィ~見ィて~るゥ~のォォォ~~」
って聞かれたんだと
その人自称見える人だったので
「またまたぁ~w」って適当に流そうとしたんだけどあんまりにも真顔で涙ぐんだりしてるもんだから流石に自分らもちょっと変な気になって、こりゃ雰囲気変えないとってなってオペレーターが
「ハンディ回せばよかったねw」とか態とらしく笑ってカメラ構えてみたりして何の気なしにソファーの方にカメラ向けたら
「わあ!」
「なんすか、マジやめてくださいよ~」
「あれ、だって、なにあれ!」
オペレーターが指差した先ソファーのシートが窪んでんの
それがゆっくり戻ってく
自分ら3人しかいないのに
タバコの香りがプンとして
慌てて入り口に走って部屋中の電気つけたよ
あんな明るい部屋で編集したのはあの時だけだったなw