大学の時の話なのだけど、とある「東京都内の島」に旅行したとき、かなりの不思議現象にビビ
らされたことがある。
もう世間の夏休みはとっくに終わってて、大学生くらいしか休んでない9月の半ばだったのだけど、
その某島の旅館を夕食後に出て、近所をぶらぶらしていた。
夜の8時ちかくでもう周囲が暗くなって、俺も手持ちの小型懐中電灯を付けないとならないほど。
その島には小学校が一つあるのだけど、そこに通りかかると、周囲の民家もそうなんだけど、
学校の正門も閉じてなきゃ、体育館の扉も開け放したまま。
なんとなくで散策ついでに小学校の敷地に入ると、体育館の方からなんか「だん、だん」って音が
聞こえてくる。
何だろうって暗い中を覗いてみると、中で体操着にブルマ姿の髪の長いかわいい女の子が一人でバスケット
してるのよ。背の感じから、11~12歳くらいの。
普通なら、小学生が一人でこんな時間にバスケやってるほうを疑問に思うべきだろうけど、
正直、俺はその子の凄く整った可愛い顔と、時代錯誤も甚だしいブルマの体操服に見入っちゃったのね。
彼女が懐中電灯の光に気がついてこっちを振り返ると、まじで美少女子役タレントみたいなの。
「やめて」
「こんな時間にどうしたの? 遅いよ?」
「まぶしいよ、お兄ちゃん」
「ごめん」
「電気点けないの?」
「まぶしすぎる」
「でも」
「…まぶしすぎるっていってんだろ!!」
急に語気が荒くなって、ガキのくせにと俺も腹を立てて、無理矢理にでも帰らせた方が良いだろうって思って
体育館の中に入ったのね。
そしたら、「ガーン」って急に全部開いてた鉄製の扉が、一斉に閉まって。
真っ暗な中に
「あははははははは」
ってさっきの女の子の声がこだましてんの、、、。
懐中電灯も扉が閉まったとき何故か突然電気切れてしまい、もう何も見えず。
俺もう涙流しながら、「うぎゃああああああああああ」って叫びながら、一番近くの鉄扉が
あったあたりに体当たりしたんだけど、何故か空を切るだけで、もう一度、別の扉に体当たり
しようとしたら、ガンって肩と首に衝撃が走って、俺は気絶しました。
たぶん10分くらいですぐ気がついたみたいなんだけど、体育館の扉の縁のとこに思いっきり首と背中打ち付けたらしくて、
でも扉は開いてたのですぐに外に脱出。出る時も、背後に思いっきり人の気配がするんで、怖すぎて外に出るまで絶対振り返りませんでした。
走ってようやく小学校の正門まで離れたところで、なんだか名前を呼ばれたような気がして
ようやく後ろを振り返ると、思いっきり体育館の入り口に立ってました。その女の子。
すんごい無表情で、手だけで「おいでおいで」してるの。
旅館に逃げ帰って、電気点けたままブルブル震えて夜を明かしたんだけど、
日の出前にうとうとしてる間にちょっとだけ人の気配がして、気がついたら部屋のあちこちに
落ちてたよ、長い髪の毛が。
もう島にはいたくなかったので、朝のフェリーで速攻帰りましたが、もうあの島には絶対に二度と行かない。