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【怖い話】夜中に友人の家に向かっていた時のこと

18: 本当にあった怖い名無し 04/08/12 16:44 ID:+5TJdoOK

東京都F市に引越した当日、友人のMが歩いて20分ほどの

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所に住んでいると聞いていたので、訪ねてみる事にした。
「多摩川沿いをずっと来ればオレのオンボロアパートがあるよ」
そうMが言ったので、自分は土産のビール片手に散歩の感覚で出発。
時刻はすでに午後23時を回っていた。

しばらく川沿いを歩いたが、結構曲がりくねっていて「これ遠回りじゃないか」
と考えた自分は、川の横にあった採石場を突き抜けていく事にした。
砂漠の様な無人の採石場を月が煌々と照らしていて、なかなか幻想的。
しかし、行けども行けども採石場が続く。小高い丘や森も見えてきた。
時間は20分どころか、いつのまにか50分ほど経過していた。
「変な方向に進んじゃったかな…」と不安になった矢先、遠くから
シャアー、シャアーという音。「何の音かな?」と耳を澄ますと、だんだんと
近づいて来る。シャアー。シャアー。シャアー。
やがて、前方から自転車が来ているのだとわかる。

「ちょうど良かった道を訊こう」
この採石場の会社の人で、怒られるかもしれないけど、迷子よりはましだ。
そう思い、近づく自転車を待っていると、何かおかしい事に気付く。
妙なのだ。自転車には紫色の着物を着た女性が乗っている。
「なんでこんな採石場にあんな人が?」
顔に前髪がかかっていて(…というよりも、芸子さんの髪を上げてるスタイルが
前後逆になっていて、顔に髪のかたまりが乗っかっている感じ)表情が見えない。
声を掛けようか掛けまいか、ためらっている内にその女性はもの凄いスピードで
自分の横を走り抜けていった。「一体何だ?」と思い、ふと振り返った瞬間、
全身に鳥肌。
女は蛇行してから、大きな弧を描いて、今走って来た方向に戻って行ったのだった。
まるで特に行く先もなく、いたずらにこの採石場で自転車を乗り回してるかの様に見えた。

怖くなった自分は全力疾走して、何とかその採石場を脱け出た。
Mの部屋に着いた時には夜中の1時近くになっていた。

 

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