父「ジョン(飼い犬)が抜け出してきてるぞ」
その日は風が強く、普段、外の小屋につないでいるジョンを玄関に入れていた
その時、廊下側にいた俺は全く気付かなかったが、どうやらのそのそと足音がしていたらしい
父の言葉に席をたった母だったが、すぐに戻ると今の足音はジョンでは無かったという
それもそのはず、ジョンは下駄箱に巻きつける様にリードを繋がれており、首輪やリードが切れない限り、独力で抜け出すことは出来ない
現に、足音が向かっていた方向にはなんの影もなく、玄関に行った母がリードに繋がれてるジョンの姿を確認したという
空き巣被害の一件もない田舎ではあったが、念のため父と俺で手分けして家中を見て回るも、結局何の痕跡も見つけられなかった
気味が悪いと話ながらそのまま夕食を再開し、その後もなんともなかった
ここへ書き込んだのは、両親が聞こえたという足音が建物の自然音等であるとは納得しかねるからだ
父が廊下側を見て飼い犬の脱走を咎めた際に、閉じられたドアの磨りガラスごしに、人か動物か記憶が大きさも定かではないが、確かに影を見ていたから・・・