怖い話

【怖い話】現地の駅で待ち合わせしたときの出来事

73: 本当にあった怖い名無し  ID:

当時学生だった私はAという友達とよく放課後に残っては下らな
いダベリを
繰り返してました。

 

20150223a

部活なんか入ってなかったので。
まぁ、私もAも恐い話が好きなほうで、よく恐い話を仕入れてきて

楽しんでいました。たまに女子も入ってきてキャーキャー言いなが
ら放課後の
夕暮れの時を過ごしたものです。
やがて受験を控えた最後の夏休みを迎える事になりました。私と
Aはいつものように
雑談してましたが、なんとなく夏休みと、受験の鬱さから何かイベ
ントを起こそうと
いう話になり、犬鳴き峠に夜行ってみる、という事になりました。
犬鳴き峠というのは九州では非常に有名な心霊スポットで危険
だから
立ち寄ってはいけない、、と大人なら誰もが言うくらいのヤバイと
ころです。
(現在は封鎖されてます)
そこのトンネルをくぐると必ず何かが起きます。
正直、私は妙な高揚感を覚えましたが、同時にビビってました。
ですが若かったせいもあって「恐い」なんて言えません。
まして親友のAにそんな姿は見せれなかった。
夕暮れのくっきりしたシルエットの中でAの顔は真っ黒にみえた。

 

 

74: 本当にあった怖い名無し  ID:

田舎学生でしたので私たちは免許なんて持ってませんでした。
ですのでローカル線に乗って現地の駅に集合でした。それからひ
たすら
徒歩です。途中バスが出てるとの話でした。
そして夏休みに入り、けだるい暑さの中で、その決行の日が近づ
くにつれ
私は何をしても気持ちが落ち着かなくなりました。
それから何度も電話でAと話をしましたが、悔しいことにAは
全然平気のようでした。一度話の流れで私が行くのをやめようっ
か?と
言ったとき、Aのバカにした笑いが耳に響きました。

それ以来当日まで電話はしませんでした。私は恐いとかよりも
恐がる姿を見せてたまるか!という決意で固まりました。
そしてその日が来ました。Aと別れることになるその日が。

 

 

76: 本当にあった怖い名無し  ID:

先日から振り始めた雨は朝になっても止んでいませんでした。
私は待ち合わせの夕刻までベッドでごろごろしていました。
やがて時間がくるとAに中止にしよう、、と言いたくて
何度も受話器を握りましたが、、言えず、、
出かけました。「なんでこんなバツゲームみたいなこと、、、」

私は始めていく場所だったので駅員に聞いたりしながら
なんとか現地の駅まで辿りつきました。
すでに薄暗くなっています。雨は霧雨になり
傘をさしているのですが体中がじっとりと濡れてきます。

待ち合わせの駅に着いたのは約束の時間より30分以上も早い
時刻でした。人気のない駅でした。駅員も古い駅舎にはいって
背中を見せたままです。私は夏とはいえ雨に濡れてたので
震えました。正直恐かったのだと思います。

やがて約束の時間になりました。しかしAは来ません。
私は次の電車だろう、、と待ちました。しかしやはりAは来ませ
ん。
「あの野郎、、、」正直私は嬉しかったです。
帰れる、、と思いました。しかし、すっぽかされた怒りは
若かったせいもあって強かったです。「あいつ、、どついたろうか」
そのとき後ろから声がかかりました。

 

 

77: 本当にあった怖い名無し  ID:

怒り顔のAでした。

「おまえ、、!いつまで待たせんだよ!現地集合だっていっただ
ろう??」
「え??現地の駅だったぞ?」
「、、、お前、、俺はずっと峠の麓におったとぞ?」
「すまん、」

Aはやはり独りで待たされたせいもあってか凄くいらついていまし
たが
早く行こうと先を歩き出しました。
私は慌ててついていきました。
Aはすでに一度通っただけあって私を案内してくれました。
しかしAもさすがに恐いらしく無口でした。顔も青ざめて見えまし
た。
やがて私たちはとうげにさしかかりました。しかしそこからは
急に砂利道になってました。私は薄暗い中、Aに必死についてい
きましたが
その先に鉄柵がはられていることに気付きました。
私たちは、、若さのせいにばかりするのはあれですが、、
鉄柵に掛かった鍵を砂利道でひろった大き目の石をつかって
壊しました。Aは体力がないので私の役目でした。
時間はかかりましたがなんとか鍵は壊れました。相当古い鍵だっ
たようです。
そこからは両側から多い繁る草の真中をしろっぽく浮かび上がる
砂利道を
ひたすら上っていきました。雨のせいか日はすぐに暮れました。

 

 

78: 本当にあった怖い名無し  ID:

私たちは懐中電灯をともして上りました。
三十分くらい上ると、そこに闇をさらに黒くぬりつぶしたようなトン
ネルが
見えました。中は真っ暗です。見たこともない暗さでした。
私は背筋がゾゾゾゾゾゾ、、、、と寒くなりました。
「こ、、、、、これかよ、、、、、、、、、」Aも震える声で言いました。
「さっきここで待ってた時はまだここまで暗くなかったけど、、、、」
私たちは身をよせあって中を覗きました。まるで
地獄につながっているかのようです。昼間なら向こう側の出口の
明るさも見えたでしょうが、、なにせ夜になっているので本当に
永遠につづくトンネルのようでした。
「こ、ここを抜けると何かが起こるのか、、、」
Aは余計無口になったまま、いつのまにか私の服を握り締めてい
ます。
「お、、おまえ先にいけよ,,」Aは震える声で私に言いました。
「ば、ばか、、押すなよ」

雨のせいで虫の声もない山の夜です。私たちの懐中電灯のあか
りだけが
灯っていました、しかし、その明かりも闇にとけこんでいます。

 

79: 本当にあった怖い名無し  ID:

私はもう駄目でした。恐いなんてもんじゃありません。
正直なきそうでした。。。私はAに言いました。
「ごめん、、俺、無理。もう帰ろう」しかしAは手を離しません。「ば、、ばか!ここまで来て帰れるか
よ」私はAに押され少し前に進みました。
「無理だって!俺、、堪えれないよ」
「お前が来ないからずっとここで待たされた身にもなれよ」
「んなこと言ったって!俺は帰る!」
「だめだ」Aは私の服がやぶけるくらいひっぱってトンネルに入っ
ていきます。私は必死でふんばりました。「やめいって!」
「いいから来いよ!はやく!」Aはどんどん私をトンネルの奥にひ
っぱります。私はさすがに切れてAを振りまわす気持ちでひっぱり返しました。
私のほうがAよりも体力があるからです。、、しかし、Aの力はい
つもより強く私はふりほどけませんでした。
「大丈夫だって、、そんな恐いことないよ。一緒に行こうよ」

、、、、、、、、、、、その時私はあることに気付きました。

 

80: 本当にあった怖い名無し  ID:

「お前、、ここで待ってたんだよな?」
A「、、、」
「ここに来る途中、、鉄柵の鍵かかってたじゃないか、、」
A「、、、」
「だいたい、、俺が待ち合わせ場所に着たのは30分も早かった
のに、、
ずっと待ってたって、、いつから待ってたんだよ?」

そのとき私をトンネルの奥にひっぱっているのがAだけではない
事に気付きました。
後ろから、横から、、たくさんの手が私をトンネルにひっぱっている
のです。
悲鳴が喉から出ない私に
Aが振りむいて言いました。「早く死のうよ」

 

 

81: 本当にあった怖い名無し  ID:

後日談

私は気を失ってたらしく地元の人が山菜をとりに着た際、見つけ
られたそうです。
私はひどい熱で数日寝こみました。
病院でAがその日、恐くて約束をすっぽかしていた事を知りまし
た。
それいらいAとは口を聞くことはありませんでした。

 

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