【意味がわかると怖い話】結婚式の数日後一人の男がやってきた

いわゆる出来ちゃった婚で3ヶ月後には子供が生まれる予定だ。
俺が物心つく前に死んだ父にも結婚式の晴れ姿を見せたかったと母は涙ながらに言っていた。

すると数日後、「物心つく前に死んだ父親に会いにきた」と、一人の男がやって来た。
突然のことで俺は気が動転したが、つまり、この男は腹違いの兄弟か？
詳しいことを聞く前に、急いで母に問い合わせてみたが、そんな事実はなかった。
恐らく詐欺か何かだろう。そう思った俺はその男を怒鳴りつけようとしたが、
しかし、よく見ると何処となく俺に似ている…
それにその表情には好意的なものすら感じられた。
もしかしたら母親ですら知らない事実があるのかも知れない。
そう思った俺は冷静になって、とりあえず名前を尋ねてみた。
するとその男は「母親に聞いて下さい。」と言い残し去っていった。
恐らく母に聞いても知らないの一点張りだろう。
母がウソをついてるかも知れないが、
女手ひとつで育ててくれた彼女を問い詰める気にはなれなかった。

しばらくして嫁さんが買い物から帰って来ると夕飯の支度を始めながら
「ねぇ、子供の名前どうするの？」
かねてから名前をつけるのは母親の仕事だと考えていた俺は即答した。

「お前に任せる」