家から駅まで大人の足で30分ぐらい歩かないといけないし、子供の足でなんてもっと遠かった。
その頃両親は共働きだったから鍵っ子だった俺なんだけど、親は二人とも帰ってくるのが遅かったから、夕方を通り過ぎて夜まで友達の家で遊ぶなんてしょっちゅうだった。そのせいか夜の暗い道を歩くのは慣れてたんだよね。
ある夏の日、たまには駅まで母親を迎えに行こうと思って、よせばいいのに軽い冒険のつもりで駅に行くことを決めたんだよね。
で、ちょっと早めに行こうと思って20時くらいに家を出たんだけど、夏とはいえずいぶん暗くなってた覚えがある。でもまあ暗い道を歩くのは慣れてたし、前に書いた通り冒険感覚だったからちょっとワクワクしながら家を出たんだ。
家を出るときに感じてたワクワクなんて歩き始めてすぐにふっとんだね。だけどここで帰るのもカッコ悪い気がして、ずんずん進んで行ったわけさ。
風で揺れる木にビクビクしたり、草むらがガサゴソいう音に驚きながらねw
そんな感じで、家から駅まで3分の1くらい行った辺りに国道があるんだけど、そこは結構明るいのよ。だからホッとしてたんだ。
だからかな、そこから駅に向かう一本道にバス停があるんだけど、そこに雨も降ってないのに傘を差した女の人がこっちに背中を向けて立ってるのよ。あの時は本当にびっくりしたね。たぶん1mくらい飛び上がったんじゃないかと思う。
さっきの女の人がまた立ってるんだよ。
今思えばこの時点でおかしいし、すぐに帰るべきだったけど、小学生特有の変なプライドがあった俺はさっきより早足でその人の後ろを通り過ぎた。
この頃の俺はよく幽霊番組とか見ても笑って寝ちゃうようなガキだったんだけど、この時ばかりは本気で怖かった。
なんせ曲がったところの目の前に立ってたんだから。
それで俺、動けなくなっちゃってさ。目の前に微動だにしない傘を見ながら立ちすくんでたのよ。
どんくらい時間が経ったか知らないけど、結構な時間が経ったように思えた頃にようやく目の前の女が歩き始めた。
俺は、その傘が見えなくなるまでホントに身動き一つしなかったと思う。
ようやくその女が見えなくなって、助かったって思ったね。すっごい長い溜息をしたよ。
さっき道の先に消えてったはずの傘が目の前にあったんだ。
もう限界だったね。よくホラー映画とかで人間びっくりすると悲鳴あげながら逃げていくけど、あれってかなり余裕あると思うよ。
その時の俺は小便洩らしながら全力でダッシュした。多分これからの人生でもあれ以上早くは走れないんじゃないかと思う。
気づいた時には駅員さんに慰められてた。
多分、恐怖のせいでまともな話はできなかったと思うけど、駅員さんは優しく慰めてくれてた覚えがある。
●この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます
【怖い話】決して家の中に入れてくれない友人
【奇妙な話】あの時ボタンを押していたら・・・
【気味の悪い話】先輩が泊まりにきたんだが・・・
【その後が気になる話】怪しいバイト
【閲覧注意】この写真・・・うつってますか?
【洒落怖まとめ】中学で好きだった子がレイプの末、自殺してしまったんだが
【恐怖体験談】変死した友人
【2chの怖い話】「時が止まる場所」←おすすめ記事
【ゾッとする話】病院の夜勤で・・・
【オカルト】ホントにやばい幽霊は・・・
【閲覧注意】いじめられっ子の復讐 -サンドイッチをカツアゲしたら・・・
【ゾッとする話】友人の彼女にイタ電した結果・・・
【オカルト】「よびかた」が書かれたノート
【ゾッとする話】消えた「トンじい」
【オカルト】ホントにやばい幽霊は・・・
【恐怖体験談】心霊スポットに行った友人が帰ってきたんだけど・・・
【オカルト体験談】仲良くなってはいけない「キャッシャ」
【不思議な話】交通事故が多発する交差点で・・・
【怖い話】釣り好きの上司から聞いた話
★「2ちゃんねるこわーい話まとめ」のFacebookページができました!
下記アイコン先から「いいね!」を押すといつでもFacebookから当サイトの最新記事や鉄板の怖い話がチェックできるようになりますので、怖い話好きな方は是非「いいね!」をお願いします!↓↓