夜も更けて駅まで彼女を見送ろうとしたら叔母から電話
「今さっき八王子の叔父さんが亡くなったわよ」
ガンで入院してた叔父がとうとう死んでしまった
詳しい話を聞きたかったが、帰りの時間が迫っていたし
あらためて電話すると伝えいったん切った
バタバタと帰り支度をし急いで部屋を出た
部屋の扉を締める時一瞬彼女が変な顔をした
早足で駅まで向かう途中彼女は何かを伝えようとした
「あの」「その」 どうもはっきりしない感じ
無事時間前に駅に着き電車を待っているとようやく彼女が口を開いた
彼女「さっきの電話、誰か亡くなったの?」
漏れ「叔父さん ガンで今さっき死んじゃったみたい」
彼女「その叔父さんってどんな感じ? 背高い?」
漏れ「顔俺に似てるかも 背高いよ」
すると彼女は俯いてそれきり黙ってしまった
彼女「けど 後で言うから 電話する」
漏れ「今言えよ」
彼女「えっ だって嫌な話かも」
漏れ「いいから言え」
彼女「あのね さっきドア閉める時ね 部屋の中に背高い人がいたの」
漏れ「あっ? 何それ?」
彼女「黒いスーツ着て部屋ん中に立ってた 顔似てたかも」
漏れ「頭ハゲてた?」
彼女「ウン 薄かった ジーッてこっちみてた 笑ってた」
どうやら叔父さんがお別れの挨拶に来たらしい
彼女を見送った後叔母に電話でそのことを伝えた
叔母「義理堅い人だったからねぇ」
世の中不思議なこともあるもんだと思った
叔母も一緒 よけいなことは言わないでおこうとなった
お焼香を済ませ、思い出話に花咲かせ
帰りは八王子の叔母さん(亡くなった叔父さんの娘)が
駅まで見送ってくれることとなった
その車中での話
八王子の叔母「お父さんが亡くなった時犬が吠えてねぇ」
「誰もいないところに向かってワンワン吠えてんのよ」
「わたしの娘なんかおじいちゃんって手振ってるし」
「見ても誰もいないでしょ 変な感じだったわよ」
それを聞いて漏れはペラッと口を滑らせてしまった
漏れ「叔父さんウチに来ました 彼女が見たって」
次の瞬間、八王子の叔母さんはハンドルを握ったまま
突然号泣してしまった 危ないので車を停め落ち着かせた
娘としては感極まったのだろう
やはり叔父さんは最後の挨拶に回ってたみたいだ
漏れには霊感などコレっぽっちもないんでわからなかったが
飼い犬や孫娘や当時の漏れの彼女には見えてたようだ
少しだけあの世のことを信じるようになった
叔母と八王子の話をしてる時
今度は叔母がペラッと口を滑らせた
叔母「あんたのお母さん死んだ人見えるんだよ」
「死んだ人が挨拶に来るんだって」
「小さい頃そこにいるとかよく言ってて怖かったわよ」
初耳だった みんなが怖がるから言わなくなったらしい
お袋に電話して問いただしたら「さぁ~ねぇ」と誤魔化された
けど遠まわしにいまだに見えるとか言ってた
思い返せばユリゲラーと一緒に「動け!」とかやってた時
お袋の体が金色に光りだしたことがある 金粉を吹いていた
わが母親ながらおかしな人だ
あまり怖い話じゃなくてスマソ
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