怖い話

【不気味な話】駄菓子屋

697: 2014/07/07(月) 01:58:57.08 ID:AL+j7+n40

20140709c

 

12年前、100円のアーケードゲームが主流の中で、
10円でゲームができる駄菓子屋があった。

駄菓子屋の店主のおばあさんは、無口な人だった。
私は、おばあさんのことがあまり好きではなかったが、その駄菓子屋に毎日通った。
おばあさんは、いつも少し離れたテーブルでタバコを吹かしながら、ゲームをしている
子供達を見ていた。

そのおばあさんが、駄菓子屋のすぐ近くで車に轢かれた。即死だったと。
おばあさんは独り身だったので、葬式もなく、そして駄菓子屋はつぶされることになった。

それから数日ほどたって、小学校内では噂が流れた。
空き家の駄菓子屋で、おばあさんの幽霊が出るという。
様子が気になった私は、駄菓子屋の窓から中の様子をみてみることにした。
駄菓子屋の内部は、整理された様子はなく、ダンボールが散乱していた。
そんな中で、白い”もや”がおばあさんの椅子の上に浮かんでいた。
”もや”は私のほうを見ているように思えた。

あるとき、小学校の子が交通事故で死んだ。
その子も駄菓子屋の常連だった。
轢かれる前に、その子は駄菓子屋の中で肝試しをしていたらしい。
駄菓子屋では電気がいまだに生きていて、ゲームがまだ使えたそうだ。
肝試しは、一人ががアーケードゲームに10円を入れて、ゲームをするという内容だ。
その肝試しの一番手が轢かれた子で、仲間は外の窓から様子を見ていた。
轢かれた子が中に入って、ゲームを始めた。
このときは、なにも変わった様子はなかったようだ。
そしてゲームを終え、部屋から出ようとしたとき、椅子の上にもやが現れて、
その子に重なったらしい。
それからおばあさんの行動をなぞる様に、ふらふらと道路に飛び出していったという。

いまだに、駄菓子屋は残っている。私は今でもこの駄菓子屋の前を通る。
窓から中を覗こうとしても、ダンボールが窓の前に積まれていて、内部を見ることは出来ない。
だけれど、裏口の引き戸に手をかけると、簡単に開く。
中では、二つの”もや”が私を見ている。

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