オカルト

【オカルト】背後霊が「手のみ」という友人の話

492: 投稿日:2013/01/28(月) 20:38:53.84 ID:jfS3YOgaO

20140531c
 

俺も一つ投下します。
長くてすいません。

背後霊が「手のみ」というA君の話。

Aは子供の頃から、お化けの手に、体を触れられることが多いという。
肩や背中、腰、後頭部などとにかく後ろから、ポン、ツン、サワサワと。
触れられて、振り向いた時に何度か見たところ、手は大人の男性のものっぽかった。
手首から先はよく見えない。
手の接触は頻繁ではないし、ふざけてるのかと思うような軽いタッチばかりなので
いつも無視していた。

その手のせいか知らないが、お化けもよく見る。
人や動物の形をしたもの、そうではないもの、色々だ。
ある朝、東海道線の通勤電車に揺られていると。
ラッシュで込み合う中、ふと足下を見ると、妙なものがあった。
肌色地に黒い縞模様の球体…
A君は理解するのに数秒かかったが、それは中年男性のバーコード頭の頭頂部だった。
ポマードべっとりなのか、きれいなバーコード。少し角度を変えて見ると、顔もある。
つまり、床から男性の首が生えている状態。

493: 投稿日:2013/01/28(月) 20:40:27.78 ID:jfS3YOgaO
『うっはー、上から見たらこーなってんのか』
A君、見慣れたお化けよりバーコードにびっくり。
思わずしげしげと見下ろしていると、急に嫌な予感がしてグリッと顔を上げて男性から目を逸らした。
男性が、A君を見上げてるのがわかる、かなり強い視線を感じる。
俺はあんたのことなど知らん見とらん、と無視するが視線はまだある。
はぁ、仕方ない…。A君、降りる予定のない川崎駅で下車。
ホームに降りたら視線も薄れ、気分も良くなったので、次の電車で会社に向かった。

一ヶ月ほど後、A君は同僚と仕事で品川から東海道線に乗った。
座席に座ってしばらくすると、向かい側の席に座るサラリーマンの足の間、椅子の下に、
あのバーコードの首(以下、B)があった。今度は最初からA君を見ている。
『ぅわ、居たなコイツそーいえば』
すっかり忘れていたA君は、さりげなく目を逸らした。

495: 投稿日:2013/01/28(月) 20:42:06.11 ID:jfS3YOgaO
『やだなぁ、ガン見だぁ。○○(同僚)は見えないだろうし…』
同僚との会話もそっちのけ、俯いて鬱々としていたが、Bは特に何もして来ない。
嫌な気分のまま目的地横浜駅着、A君は同僚を急かしてそそくさと下車した。
同僚「どうしたの?」
A「あー、いや、トイレに行きたくなっちゃって、ごめんね」
じゃあトイレに行こう、とホームにある下り階段に向かうのだが。

階段の上から2段目にBが生えており、A君を見ていた。
しつこい!と思った時、ぐいっと引っ張られるような感じがして、A君はフラフラと階段に
行ってしまった。
呼ばれた、落とされる、と自覚していたが、体を止められなかったという。
その時、「おい!」という同僚の声が聞こえ、ガシッと肩を掴まれ、強烈な頭痛に見舞われたA君。
ひどい頭痛に呻いていたのは数秒で、A君は階段近くのホーム上で尻餅をついていた。
Bは消えていた。

496: 投稿日:2013/01/28(月) 20:44:10.71 ID:jfS3YOgaO
さすがに怖くなったA君、階段はやめてエレベーターでホームから降りた。
心配する同僚に貧血かも、ありがとうと言い、とにかく仕事を片付けるため客先に向かった。
帰りは有難いことに青物横丁で商談があり、京急に乗った。Bは出なかった。

2~3日後、同僚と酒を飲み、横浜での話になった。
同僚「あの時はビビった、マジで階段落ちるかと思ったよ」
A「ごめんね、いや、悪かった」
同僚「貧血じゃ仕方ないよ。ほんと手が届いてよかった」
おや?とA君。
同僚に詳しく聞くと、A君がフラフラと階段から落ちそうになり、慌てて肩を掴んで引き戻したら、
座り込んで頭を抱えだして数秒、ケロリと普通に戻ったという。
てっきり、あの手が肩を掴んで助けてくれたと思い込んでいたA君。
冷静に考えてみれば、同僚の言うことが普通なのだ。
重ね重ね同僚にお礼を言いながら、あの役立たずめ、と悪態ひとつ。
そもそもあの手が役に立ったことなどないのだ。

497: 投稿日:2013/01/28(月) 20:46:39.76 ID:jfS3YOgaO
歯磨き中に肩を叩かれた時、思い切り写ってる鏡を指差して「…鏡」と言えば超速で消えたり。
わざとだとしか思えないくらいくっきりと、A君と2ショット写真になったり。
アイツはそんな奴だよ…
眼鏡を外してため息をつき、眉間を揉む。
同僚「まだ痛いのか?」
A「え?」
同僚「頭痛。すげー痛がってたから」
今は平気だが、確かにあの時、物凄く痛かった。ウギャとか言ったんじゃなかろうか。
A「…」
眉間から左右のこめかみに指をずらす。
あぁ、こんな感…
A「アイアンクロー!?」
背後が定位置なのに、意を決して前に回り、顔面鷲掴みにしてA君を止めてくれた、
のかもしれない、ンが。
もちっと他にやり方があるだろうに。
同僚「は?」
A「アイアンクローされたみたいに超痛かったってことっ」
同僚「バファリン持っとけ」
その言い方にカッチーンと来たが、とりあえずA君は酒を飲んだ。

以上です、失礼しました。

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