593: 2012/07/17(火) 21:33:26.74 ID:frViagn70
喪女は死んでも喪女なんだなぁ、と思った昔話
その昔、福島県には狂骨という妖怪が出たそうだ。狂骨は歩く女の髑髏であるという
この狂骨であるが、実は名前の響きの禍々しさとは裏腹に、全く悪さをしない。
ただ「歩く髑髏」なのだという
生前はあまりの醜さに誰にも相手されなかったが、死んで骨になってみると意外に
スタイルがよかったことに気が付き、
死後は自慢のスタイルを自慢するため、夜な夜なカタカタと音を立てながら
一人ファッションショーを開催しているのだ
しかしこの狂骨は、高僧とか修験者のような霊的に強い人に出会うと、
その場でカタカタと崩れてただの骨になってしまう
そしてその高僧や修験者が通り過ぎると、再びカタカタと人の形を為し、
一人ファッションショーを再会するのだという
この狂骨の好物は獣や魚の骨であり、腹が減るとこれをしゃぶるそうだ
しかし、お盆には骨は生臭物であるからといって断食し、骨をしゃぶらなくなるという
そういうわけで人々はこの狂骨を「なんといじらしく、慎ましい女の物の怪であろうか」
と言って特別嫌わなかったという
喪女は死んでも物の怪になっても、低姿勢で、控えめで、慎ましいのだなぁと
妙に感心した昔話