午後7時半になったので帰宅してる最中に
見たモノとそれからの実体験です。
図書館は駅から10分ほどの場所にあるが、
人通りが少なくて空き地もちらほらある。
資料館も兼ねている為建物自体も昔ながらの
造りで夜になると周りは結構不気味な感じ。
電灯は大通りに出るまではまばらで
線路沿いの薄暗い道を歩いて駅を目指すのがいつもの帰り道に。
いつもなら閉館まで大体受験生など5人は自習室に居るのだが
その日は自分合わせて2人のみ。最後に残った人は自習室の電気を
消して帰らないといけないので早めに切り上げとこうと思い、
帰宅準備を始めてると先程まで残ってた1人も既に居ない事に気付く。
再度点灯するも誰もいないので少し怖さを感じ電気を消して階段をおり出口へ。
その時に消したはずの2階の自習室で「パチン」という音がなり電気が点いたような気がした。
職員が見回りでもしてるのか、と気に留めず外へ。
既に明かりは暗くなっており、図書館利用者ももう居ないようで
周りに人気は無し。外にある喫煙所に行きタバコを吸ってから帰ろうと
思い灰皿に向かう途中でカナリ嫌なモノに出くわす。
今考えるとこれに出会ったから後々に嫌な事が続いたのかもと思う。
喫煙所に向かいつつ鞄からタバコを取り出そうと下を向いて
ふと前をみると、喫煙所の横にある小道から人が出てきた。
ただ人が出てきただけなら良かったのだけど、ソレはどうも
様子がおかしい。ユラユラというかフラフラというか
灯りがないのでそういう感じで出てきてるように見える。
ボールの様なものをついてるようにも見えるし、石を蹴飛ばしてる
ようにも見える。その時は「人」だと思い込んでいる為、
怖いという感情は全くもってなかった。
タバコを取り出してライターを取り出し、火を点けようと
した瞬間に背筋が一気に張り詰めて寒気が走る。
ユラユラ出てきたヒトは、後ろ向きで歩いてきている。
先程も書いたがその道は小道である。
しかも曲がりくねっている。電灯も無いので辺りは暗い。
なのに後ろ向きでフラフラしながらゆっくりとこちらに歩いて来てる。
煙草を吸おうとしてた自分だけども、流石に怖くなってきて走って
駐輪場を抜け、図書館を後にして早足で駅に向かう。
なんだったのかと理解しようとするが、全く考えれないほどに
パニックになってしまい、とにかく駅を目指す。
線路沿いの薄暗い道を歩きながらようやく気が落ち着いてくる。
ただ、直ぐに再度背筋が凍りつく。
反対方向の遮断機の前に赤いランプに照らされて
人が立っている。そのヒトも先程と同様に
後ろ向きに立っている。頭の中では色々と言い訳を考え始め
ただ、電車が通り過ぎる時に向こうを見てるだけだろ。とか
誰かが後から来てて振り返ってるだけだろ。と
気分を落ち着かせようとするが「カンカン、カンカン」
の音に気が散ってどうにも落ち着かない。
すると遮断機が下りているのに、
後ろ向きなのにもかかわらず、それはゆっくりと
遮断機の横から線路に入ろうとしてきた。
その時に
「キャー」という女性の声が聞こえた。
女性がいたらしくその後ろ向きで進もうとする人に対して
叫んでいた。だけどもそのヒトは全く止まらない。
それを止めようと女性は慌てながら中に入っていく。
自分はそれをただただ見ている。
電車が来てるなー。大丈夫かなー。
あ、やばいかも。おい、いそげ。
あ、ちがう。後ろ向きの奴は人じゃない。
と思った瞬間から一切の記憶無し。
次の日、女性が電車に飛び込んで自殺をしたことになっていた。
新聞にも出てたし、俺も心療内科で入院してて警察がきて説明?
とかをしだして親も心配なのか、何があったの?とか聞いてきたが
全く持って説明できなかった。ただ、ヒトを助けようとしてたんじゃないかな
とぼーっとした感じで答えてるだけだった。
カウンセラーだとか言ってる医者に話しをしても
「それは、多分君がそう思ってるだけだよ。
そんなヒトは居なかったんだよ。警察も他に人は確認できなかったって」
と言ってた。
自殺を見たショックで自分がおかしくなってるのか?
あれは全て事後に創られたものなのか?とワケがわからなくなり
パニックが余計にひどくなりかけた。
でも、絶対に自分は見たんだと核心できる事が起こる。
それは友人から聞いた話で、
女性が自殺した踏み切りで幽霊が出るようになったと噂が
出始めた。どうやら成仏できない女性が学生などから
度々目撃されるらしい。
その女性は「後ろ向き」で何かを探しながらユラユラしてるらしい。
この噂を聞いた時に、自分だけは
「それは女性じゃなく、それこそが女性を殺したヒトだ。」と思っている。
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