親のいない一人暮らしの生活ができて、それなりに楽しく暮らしてたんだが
何せ安いアパートなもんだから窓ガラスが薄かったんだ。それに道路にも面していたから
夜中に窓のそばで人の声がするとふと目を覚ましてしまうことがしばしばあった。
面してるって言っても一応柵的なものもあったしちょっとした庭みたいになってたという方が
正確かもしれない。
そんである日、時間は定かじゃないが夜中に外から物音がする。前に外で酔ったおっさんが
騒いでることがあったんで俺はそのまま注意するのもめんどくさいから寝てた。
するとザッザッという音がして、どうやらうちの敷地に入ってきてるみたいなんだ。
いやだな~とは思ったもののそのまま何もしないでいると、まだ足音がする。
心なしかこっちに近づいてきてるような気が・・・
小心者の俺は怖くなって、布団かぶって寝ようと頑張ってた。ちょっとするといつの間にか
足音が止んでた。
居なくなったかなと思って少しホッとした俺だが、やはり小心者はちゃんと確認しないと
安心できないんだ。
よくホラー映画とかで確認しに行くシーンがあるが、あれは臆病だからこそだと思う。
足音をたてないようにそろ~っと窓に近づいてって、それで意を決してカーテンを引いた。
そこには白いタンクトップのおっさんがベッタリくっついてた。
顔をガラスに押しつけるようにして、こっちを見てる。
思わずビビってちびりそうになったがすぐにケータイで警察に電話しようとした。
が、電源が切れてる。
少しガン飛ばしてたんだが(腰抜けてる)、少ししていきなりおっさんの表情が変わり、
今度は窓を殴り始めた。
ドンドンドンドン、パリ―ンって音がした。窓が割れてた。涎を垂らしながらおっさんが
こっちに寄ってくる。
眼があらぬ方向を見ていて、ホントに危険を感じた俺は何とか立ち上がってドアから逃げた。
本能ってすげえな逃げながら一瞬だけ振り返ったら、おっさんはニヤニヤしながら
こっちをジッと見つめてるだけで動かない。
追いかけて来なかった。嫌な感じはしたがその時は何も思わずただ逃げることに専念した。
よかった~と思いながらそのまま交番まで走っていった。
そんで、いろいろ事情を話して変なおっさんの特徴を話してたら警官が変な顔しだしたんだ。
増援呼んでくれてあたりを捜索したらおっさんが捕まった。その連絡を受けた時に
ちょうど俺の隣にいた警官のトランシーバーの中からおっさんの声が聞こえてきて
「次はお前だぞ」って叫んでたんだ
警察署までいって色々話して、おっさんも捕まって事なきをえた。
ただ、安心して帰ろうとした時、つい最近そんな感じのタンクトップの人が夜中にうちの交番に来て
「知らない奴が窓に張り付いてたんだ助けてくれ」
って逃げ込んできたことがあったんですよ、と一言警官が呟いていた
もしかしたら、俺も
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