これからお話することは、今から約二十年前の出来事です。私は高校を卒業しまして
関西のある宝飾会社に就職をしました。真珠の仕事に携わることになったのですが
新入社員時代の出来事です。
当時150人くらいの新人が入社いたしまして、高卒、大卒と様々でしたが、学歴などは関係なく、一度は全員真珠の養殖場へ研修に行かねばなりませんでした。期間は1カ月間と言うことで、2グループに分かれて行くことになりました。
もちろん男子だけです。真珠の養殖場といいますと、全国にたくさんその会社はもっていて、関東から九州までございました。それで、私たちのグループは、九州は長崎県の平戸市に研修場所が決まったんです。
先発隊と後半合流組とわかれまして、私は1カ月滞在ということになっていました。一緒に滞在するメンバーは7名でした。私と同じ高卒の子と後5名は大卒のメンバーでした。
新神戸から新幹線で博多駅までいきまして、当時約4時間くらいかかったと思うのですが、着いてからは、また汽車に乗り換えまして、確か佐世保駅まで行き、そこからは養殖場の方々が車で迎えにきていただきました。車で移動中青いきれいな平戸の海が印象的だったのですが、あとでこんなに怖い思いをするなんて思ってもいませんでした。そうです、7人全員でのす。
私たちは8畳くらいの部屋で7人で横に並んで、開けてはいけないという部屋に足を向けて寝ていました。その晩です、夜11時に起こりました。夏でしたからかなり部屋は暑かったのですが、蚊が入ってきたりすると嫌だったので、私たちはふすまはしめ切って寝ていました。寝付くまで毎晩時間はかかっていたのですが、この時はこんなことが起こったんです。
なんと、風もないのに、開けてはいけないと言われたその部屋のふすまが、ガタガタと揺れてるではありませんか?私は一番左端、もう一人の高卒の子が右端と中に5人をはさむような感じで寝ていました。中の5人はその時寝ついていたのですが、私ともう一人の高卒の子は寝ておらず、その音が気になって、ぶるぶると震えていたんです。
いまでも思いだすとほんとうに奇妙でとりはだがたつくらいです。それで私たち二人は眠ることができず、怖い思いをしているだけでした。
足はありませんでした。もう一人の子に私は「今の見た?」って言いました。すると彼は震えながら「俺も見た」。
その後二人は絶句していて少しも動けなくなりました。
その日はどうにか朝を迎えることはできました。それでその話を担当の方に話しましたら、その日にお祓いをしていただきました。その後もいろいろあったんですが、今回はここまでにしておきます。