俺は階段を降りていた
時間は確か夜中の2時だったはずだ・・・
マンションのエレベーター
俺は階段を降りていた
時間は確か夜中の2時だったはずだ
目的は5階の自分の部屋
同じマンションの10階に住む友達の家で酒飲んで映画見て泊まるつもりだったんだが、友達の彼女がマンションの前にいてこれから来ると言ったから俺は急用思い出したふりして自分の部屋へ戻ってたんだ
酔っ払ってるせいか足がもつれそうになるが暗かったのもあってなんとなく気味が悪くて階段を急ぎ足で登って行った
エレベーターは故障らしくてボタン押しても反応がなかった
ちりりりーん
携帯がなった音に一瞬ビクッとしたが画面を見るとさっきまで一緒にいた友達からだったのでホッとして電話に出た「さっき彼女来たんだけどもう一人女の子連れてるからお前も用事済ませて来いよ、スタイル良くてカワイイ子だぞ」俺はわかったと返事をして電話を切った
なんだか妙に興奮して先を急ぐ
何かが引っかかる
よく考えたら誰にもすれ違ってないしエレベーターは故障中、階段はここだけだ
ふと時計を見ると2時半であれから30分もたっているしかもまだ8階だ
どう考えてもおかしい状況にさっきまでかいていた汗が冷や汗に変わった
下から誰かが登ってくる足音がする
上からも足音がする
こんな時間と状況だからか良くないものが近づいている気がする
慌てて8階のエレベーターの前に行きボタンを押した
何事も無かったかのようにエレベーターが到着した
俺は慌てて友達のいる10階のボタンを押したが一向に扉が閉まらない
向こうから何かの足音がする
閉めるボタンを連打していると足音が目の前で止まったと同時に扉が閉まった
ひと安心していたら8階のボタンが押されていることに気づいた
自分で焦って押したのではと無理やり納得させ、回数表示の画面を見ると8回で止まっている
そういえば窓の外は相変わらず暗いままだ
冷や汗がまた吹き出してきた
何かの視線があるような気がしてエレベーターに備え付けの鏡を見てみると
俺の後ろに誰かいる
「行かせないよ」
気づいたら病院のベットの上だった
付き添ってくれた友達に聞いたら8回に住む住人がエレベーターの中で倒れている俺を見つけたそうだ
その後俺は二階建てアパートに引越しエレベーターには乗らないようにしている
次は発見されないかもしれないから
引っ越したのは賢明だったな
足音がこわすぎるわ