俺が中学1年の時の話。
その当時クラスではこっくりさんがめちゃくちゃ流行っていて、最初はクラスでも、自称霊感のあるちょっと変人っぽい奴らのグループがやり始めて、そこからは爆発的にクラス中に広まった。
「誰々のちんぽの皮は剥けてる?」とか「一番ちんぽがでかいのは誰?」とか、「一番最初にはめっこが出来るのは誰?」とか、そういう取り留めもない質問ばかりして大爆笑してた。でも、やっぱりだんだん飽きてくるもんで、こっくりさんの中でゲームをやろうって事になって、4人で玄武・朱雀・青龍・白虎というパーティーを組んで、こっくりさんの中でRPGみたいなゲームをやり始めた。
これもまた面白くて、手ごわい敵には10円越しに念を送ったり、レベルアップだとほんとうにレベルアップしたような気分になったりした。
それで遊びの中心が全てこっくりさんという状態になっていた頃、何か先生達の都合で先生不在で自習ってことになって、もちろん、やり始めたのはこっくりさん。
暫くしたらこっくりさんを広めた張本人達のグループが「この中に呪われてる奴がいる」とか言い出して、なんかナイフを使ったキューピッドさんみたいなので呪われてる奴を探すとか言い始めた。それで見事呪われてたのはもちろん俺・・・。
ナイフを数人で持った同級生に追い回されて「諦めろ調子に乗りすぎた。俺達には何も出来ない」って言われて、俺は「なっな、冗談は止めろよー」って言った瞬間に窓の外にある木に雷がバリバリバリバリバリッ!!って落ちて、数秒の静寂の後に滝のような雨が降ってきた!
叫んでる女子もいたけど、「やべーよ、やべーよ」みたいな小声の変な静けさが広がって、一斉にみんなこっくりさんを止めて、それ以降、誰もこっくりさんをやらなくなった。
もうその日から、体が水の中にいるんじゃないかっているぐらいの重さで、とにかく自転車こぐにも後ろで誰かが引っ張ってんじゃないかってぐらいの重さ。それでその日は、なんとか帰ってきて玄関を開けたのはいいんだけど、開けた瞬間に玄関の正面に飾ってある時計と何か動物の角が「ガターン!」って、ほんとに示し合わせたかのように落下した。
でも、俺としては霊の仕業だとは認めたくないから、「まっそういうこともあるさ」って感じで自分の部屋に戻ったら襖開けた瞬間にタンスがバタン!って倒れて、もうさすがに怖くなったんだけど、誰に相談すればいいのかも分からないし、しょうがなく部屋でテレビを見始めた。
そしたら、テレビもまた勝手に音量が上がったりミュートになったり、でも、俺はこれもテレビの故障だと決めつけて別にお祓いとかも行かず1週間ぐらい過ごした。
でもその間も、ポルターガイスト現象はずっと続いていて一番多いのが物が落ちるってことと、テレビとかコンポが勝手に操作されちゃうっていうのが圧倒的に多かった。
体も異常に重いし、なにより精神的にかなり追い詰められてきて、学校にいても何故か辛くてずっと机でうつ伏せてることが多くなって、さすがにもう全部親に言ってどっか連れて行ってもらわなきゃ駄目かもって思ってた。
そんな頃、ほんとに憑き物が落ちるという表現がぴったりなぐらいに、体が急にスッっと軽くなって、今まで汚泥の中をさまよっていたような体の重みもすっかり消えた。
その後は、すっかり元気になってまた元通りになったんだけど、ある時、そのこっくりさんを一緒にやっていた一番仲の良い友達に、こっくりさんの話は、暗黙の了解でタブーになってたんだけど、その事を話してみたら、調度俺が憑き物が落ちたと感じた時間に神社にお祓いに行っていて、俺のことも祓ってもらうように言ってくれたらしい。
あの時ほど友達に感謝した瞬間はないね。
こっくりさんって本当に興味本位でやらないほうがいい