私の家はとても古く、明治時代頃までお金持ちで、庄屋をしておりました。そして、立派な氏神様も祀ってあったのです。
ですが、諸事情により家がつぶれ、お金がなくなってから、今住んでいる場所へ引っ越してきたそうです。
これは、私の家の氏神様に関するお話です。
私の家の氏神様は、水神様と呼ばれ、蛇を祭っている、というような話を母からちらっと聞いた事があります。母は、そうしたスピリチュアルな話が大嫌いですので、詳しくじっくり聞く事はできませんが、かつての私の家の氏神様だった神様が、とても怖くて、不思議なものなのです。
これは、多分数十年前の話になると思います。当時、何度か、私の家の氏神様だった水神様のご神体と祠を移動させようとした事があったそうです。そうして、水神様を移動させようとすると、必ずそれに係わった人々が次々と亡くなる、という怪事件が起こっていたのだそうです。
そうした事がありますので、水神様は、移動させずに現在でもその場所に、祠が建てられています。
何年か前まで、水神様へ、お正月に家族全員で挨拶に出かけていたのですが、今ではそれはしなくなってしまいました。
今では水神様は、地域の人々の信仰の対象になっているようです。そうした話を人づてに聞いております。
初めて水神様が祀られている場所へ出かけた時、私はとても強いエネルギーを感じました。言葉で表現すると、「ボンボンボン!」という、何かがはじけるような感じのエネルギーで、龍神様のエネルギーに似ています。
以前、龍神様が祀られている場所へ出かけたことがありました。その時感じた力強いエネルギーとその水神様のエネルギーがとてもよく似ていたので、そこの水神様は、蛇と母が言っていたのですが、もしかすると龍神を祭っていたのかもしれません。
そして、この氏神様のご神体がまた不思議で、十二単姿の女性の形をしていたのを、今でもよく覚えております。
ですが、そのご神体を目にする機会は、残念ながら、もうなくなってしまいました。どなたかが、水神様のご神体を独り占めして持って行き、自分の家で祀って崇めている、という話を聞いています。
今は、水神様のいらっしゃった祠には、その敷地内にあった石が入れられ、ご神体の代わりにしている、という風になっています。
その事が、私は不思議でたまらなく感じております。どうして、その時に水神様は、以前のような怒りを示さなかったのか、不思議でたまりません。
考えられる事としては、もしかしたら、霊的な事に長けている方が水神様を、その一人の独占している方の家に、障りが無いように引っ越しを手伝ったのかもしれません。
水神様のご神体がなくなってしまった後は、残念ながら、その土地からは以前のように強いエネルギーは感じられなくなってしまいました。かすかに水神様のいらっしゃった気配だけが残されている、という風に変わってしまいました。
あれだけ強いエネルギーを放っていた私の家の氏神である水神様でしたので、本当に残念に感じられます。
もう少し私も、その水神様をお参りしてみたかったと思いましたが、私の今の立場では、それはもうできなくなってしまっているので、残念に思えてなりません。
また、関係あるかどうか分からないのですが、うちは女性しか生まれない家系になってしまっています。昔は男性もきちんと生まれていたというのですが、最近は女性しか生まれないのです。
母は「呪いがかかっているのでしょう」と言っています。私のかつての家は、お金持ちの家だったので、人に恨まれることも多かったのではないかと思えます。ですので、呪いというものが、私のいる家の家系にかけられているかもしれないと思えても不思議ではないです。
このように、水神様と女系の家は、今現在、どうすることもできない状態なのですが、今の私は、そうした事を考えるよりも、日々いかにして平穏に過ごしてゆけるかを考える事に重きを置いております。