まあ、身近な寺とはいっても、すぐそばにお墓はあるし、木が茂ってたから夏でも割と暗くって雰囲気はあった。
そんな雰囲気なんてすぐにぶっ壊されたけど。
私と弟、最近引っ越してきた近所の三姉妹の5人でスタート。
三姉妹は最近越してきたばかりだし、よく知ってる私が何とかしなくてはと、変に張り切ってからまわっていた私・・・。
木からつるされたこんにゃくを見つけ、「生ぬるい」「美味しくなさそう」「タイミング悪い」となぜか仕掛けに駄目だし。
更に歩くと、上から水と一緒におかめ納豆のカップが落ちてくる。
もうここでホラーは死んだ。
「仕掛け壊れてるんだけど!この後どうするのwww」
「やばい、これちょっとぬるぬる残ってるwww」
「洗えよwwww逆に嫌だわwwww」行事でテンションあがった小学生のバカ騒ぎ、もはや怖いものなど何もない。
道端で何かを拝んでいた知らないおばあちゃんにも明るく元気にご挨拶。「こんにちはー!!」
「あ、やべ、今夜だからこんばんはだよwwwバッカwww」
「こんばんはー!こんばんはー!!」こんなテンションのまま、お寺の横の坂をのぼっていった。
坂のてっぺんには近所の男の子(ガキ大将2号)の両親が待っていて、景品をくれるという話だった。
「あれ?いないね?」
坂の上についても誰もいなかった。
あたりを見回しても何もない。
坂の上だと思っていたが、きっとここは階段の踊り場のような場所で、もっと先があってそこに大人がいるに違いない。
そう思って、さらに進もうとしたら、突然肩をつかまれた。
ガキ大将2号の母親だった。
その人が言うには、坂を上がってきたらすぐに見える場所に立っていたのに、全く気が付いてくれないし、声をかけてもダメで、急に墓場の方へ向かおうとするからヤバいと思って止めたそうだ。
そういわれても、私もそこに大人がいるはずだと思っていたし探したが、肩をつかまれるまで全くそこにいることを知覚できなかったし、声も聞こえなかった。
とめられてやっと、坂を上ろうとしていたはずなのに、なぜか坂を下りて墓場に向かう方に歩いていたことに気が付いた。
もしかすると、何かに引っ張られていたのかもしれないなあなんて思った。
あと、肝試しの最中にあいさつしたおばあさんだが、その後行った子どもチームの人も、コンニャク等の仕掛けをしていた人もそんな人はいなかったと不思議そうだった。