今自分中学3年生やってるんだけど、中学校2年生の1学期に入ったくらいの頃の話。
その日、けっこう強めの雨が降ってて、傘が風で持って行かれそうになったんだよね。
こりゃ警報でるんじゃね?ぐらいの強さ。自分特別霊感とかもなくて、むしろそっちの方信じてなかったんだけど、その日はなんだか肌寒かったんだよね。(雨のせいかもしれないけど)
学校の授業終わって、友達とグダグダしゃべりながら下校してて、「雨強いね」とか言ってたんだよ。友達の家について、雨強いから帰れないなぁとか思ってたら、前の道通り過ぎた人が、思い出したように立ち止まって、こっちに来るわけ。
かなり傘深くさしてたから、顔とか見えなかったんだけど、長袖着てて、ズボンも長いのはいてるんだよ。いくら寒いって言っても、もうすぐ7月にはいろうかって時に、そんな恰好してたから、なんか変だなって思ったんだけど、目も合わさないようにして、無視してたんだ。
その人が、マスク越しにくぐもった声で、「私キレイ?」って聞いてくるんですよ。ほんとにもう吹き出しそうになって、どっかの幽霊さんかよって思いながら、「マスク付けてるんで、良くわかりません」って大真面目な顔して受け答えしたの。じゃあそばにいた友達が、何んともなさそうに家の中に入って行っちゃうから、待ってくれよとか思いながら、あからさまにイライラしてますオーラを出してたの。
そしたらその人、サングラスを取って、また「私キレイ?」って聞いて来るんです。
正直ウザイなって思いながら、でも結構目元が可愛いから、「おきれいですね」て答えたのよ。じゃあ、傘をまた深くさしなおして、マスクを取ったんだよ。あ、良くあるパターンだ、とか思いながら、ちょっと笑ってたんだよ。傘深くしたまんま、「私、キレイ?」ってまた聞くから、「顔をあげて下さい」って言ったの。じゃあ、分かったわつって、傘をあげたんだよ。
なんか見覚えがあるなって思ったら、俺のクラスの結構仲良かった女子で、「あはは、びっくりした?」って聞いてくるから、なんだよ、とか言って、普通に受け流そうとしたの。んで、その女子も一緒に歩いてくる感じで、ついてくんなよって言おうと振り返ったの。もちろんその女子はそこにいたんだけど、問題はその後ろ。背中で半分くらい隠れてたんだけど、髪の長い女の人が、ニタァって笑いながら、その女子にしがみついてんのよ。
あ、これマジの方だって思って、「ごめん帰るわ」つって速攻家に帰った。話してた友達に電話して、事情説明したんだよ。そしたら、「後ろって何のこと?てか今日お前部活だったろ?一緒に帰れるわけないじゃん。夢でも見てたのか?」って笑いながら切られたわ。
そのあとその女子にも確認したんだけど、何の事?的な感じで軽く流されて、困ってるのは俺一人。
何だったんだろ。