あと、あれもこれも入れてたら目茶苦茶長くなっちゃいましたので、
長文苦手な人もスルーしてください。。
高校生になった私は出会い系を初めて、
そこで出会った年上の人とばかり付き合ってた。
女子高生ブランドもあってみんなチヤホヤしてくれてて、
中学まで超地味だったし、チヤホヤされるのが嬉しくて、本当に馬鹿だったと思う。
来るもの拒まずで、なんか違うなって感じてすぐ別れるっていうパターンばっかりだった。
ある日、普段あまり会話しない父から「今度の日曜空けておいて」と言われた。
父の知り合いに三輪明弘みたいな超能力の人がいて、なぜか私に会いたいと言ってきたらしい。
しかも父曰く「結婚して子供もいることは言ったけど、その年齢や性別は伝えてない。なのに
「17歳の娘さんいるでしょう?急いで会いたい」と言われたとのこと。
正直、怪しい宗教か何か?と思った。
友人が多いけど寡黙なタイプの父が、そういうのに引っかかっているのかと不安になった。
母に相談すると母もその人を知っていて、しかも本物だと言い張る。
近所のおばちゃんの娘さんの酷い皮膚炎が治ったと。
・おばちゃんの旦那さんはゴミ捨て場の作業員みたいな仕事をしてた
(父も母も初耳だったから、超能力者も聞いてないはずなのになぜか知ってた)
・あちこちのゴミ捨て場から軽微だけど悪いもの?を家に憑けて帰ってきてる
・影響を受けやすい子供だけが被害を受けている
おばちゃんは元々そういうの信じない方だけど、無料でお祓いしてくれるって言うし、
あとは玄関の盛り塩だけで大丈夫ってことで、やったら嘘みたいに治ったんだって。
色んな病院行っても治らなかったのに治ったからお礼金を渡そうとしたけど、
「僕そういう本職の人間じゃないので、大丈夫ですよ」と断られたとか。
(普段は普通の会社員やってるらしい)
でもやっぱり詐欺かもしれないしなー
でもタダで評判の占い受けられると思えばいいか、
見て明らかに怪しい人なら親に注意しよう、ぐらいの気持ちで会うことにした。
会う場所はうちのリビング。
その人は見た目普通の人だった。
細身のカーゴパンツにポロシャツみたいなカッコだけどこぎれいで、向井理みたいな薄い顔。
愛想がよすぎるわけでも悪いわけでもなく、ほんとに普通の人。
世間話を父と三人でしたあと、それじゃ・・・と父は退席した。
2人っきりで話すの?と思ってたら、第一声に
「急いで会わなきゃって思ってたけど、昨日大丈夫になったみたいだね」
何のことかすぐにピンと来た。
元彼のことで真剣に悩んでたけど、図らずとも昨日解決したから。
その元彼は15歳ぐらい上のフリーター。
猛アピールされて付き合ってはみたけど、話も弾まない。
断り切れず一度だけセックスして、でもやっぱり合わないと思って、かなり一方的に別れ話をした。
メアドしか交換してなかったしいいかっていうのもあった。
そしたら、行為中にこっそり撮った写真がある、ネットにばらまくって言いだした。
しつこくメールが来て、内容が内容だけにだれにも言えなかった。
最近は「ヨリを戻せとは言わない、一度電話するだけでいい。だからこの番号に番号通知で電話しろ」と言われてて、
馬鹿の極みだった私は「電話で済むなら」と思い始めてた。
ところが昨日、たまたま携帯の受信画面を友達が見てしまい、
半ば強引にその番号に非通知で電話をかけて「姉です。これ以上するなら警察に届けます」と一言。
相手は「すみません、冗談だったんです」とだけ言って通話終了。
それからメールもパッタリ止んだし、友達が捨てアドで追撃メール送ろうとしたらアドレスも変わってた。
もちろん内容が内容だけに、その友達と私しか知らないこと。
私がびっくりして黙りこむと、
「君のご両親には言わないよ。だけどそれは、そのことを肯定してるわけじゃない。
言うと君は誰にも頼れなくなって、もっと酷いことになっちゃうし。
でも、ひとまず一番ひどいところは去ったから大丈夫」
と、優しい声で言われた。
「未来のことがわかるってことですか?」と聞くと、
「確定してることってあまりないんだよ。分岐してるし、細かく変わったりするからね。
ただ、その分岐が河の別れ目みたいに、太いのと細いのがあるんだよ。」
「あのままだとどうなってましたか」
「君がもし電話をしていたら、そこから河の終わりまで、分岐はなかった。危なかったよ」
そのとき初めて”電話”という確定的なワードが出てきて、改めてドキッとした。
「僕がお父さんに電話したときは、君が電話をするっていう選択肢の方が太い流れだったんだ。
運がよかったんだよ。これ以降は気をつけてね。」
「そうですか・・・でもそれなら、用事は済んじゃってたってことですよね?」
「そうだねwでも内容言わずにお父さんに頼んでたから、断るのもって思ってね。
折角来たし、君ちょっと憑いてるから払っておこうか」
「は?!」
「あははw中学生ぐらいかな?黒いジャンパースカート着てる女の子が憑いてるんだよね。
身長は君と同じくらいで、耳の下で髪を二つ結びにしてる。
基本的な波長が合うから、憑いちゃったんじゃないかな。
悪気はないんだけど、ちょっと悪影響あるから、払っとくね」
そう言いながらかばんの中からハンカチと細長い木箱を出して、木箱から数珠を取り出した。
「目は閉じてた方がいいですか」
「別にどっちでもいいよ。ハイこれ、握ってて。使っていいよ」
渡されたハンカチを握って、目はあけたままジッとした。
その人は私の後に立って、サラサラーッとお経を唱えた。
そしたら変な感覚があった。
説明が難しいんだけど…
ドラマや映画の泣けるシーン観ててもうすぐ泣きそう、みたいな気持ちと、
なぜか性欲みたいなゾワゾワ感、無性になにかにしがみつきたい感じ。
お経が終わったらそれがスーッと引いて、引いたらなんだか凄く恥ずかしかった。
テレビの除霊みたいに号泣はしないけど、ちょっと涙がジワッと出た。
肩が軽くなったとかは特に感じなかった。
「ありがとうございました。いつから憑いてたんでしょうか」
「わからないけど、この中学生がそんなに昔の人じゃなさそうなんだよね。
生きてたらたぶん君と同じくらい。だから憑いたのかも。
これで多分、異性に対しては、人並み程度に落ち着くと思うよ。
ただまぁ…君は多分、これからも色々あるだろうね。かなり波乱万丈だと思うw」
「そうですか…」
そのあと、結婚するのは何歳なのかとか、子供を持つのは何歳ぐらいかとか、
普通の占い師さんへの相談みたいな話をして、そのままその人は帰って行った。
それが10年ぐらい前の話。
最近、近所に住んでる友達と久々に飲みに行ったんだけど、
親戚が亡くなった~って話の延長から、
「あたしたちが高校入ってすぐぐらいの時、
2個下の学年の子が、踏切に飛び込んで自殺してるんだよ。
私同じ部活だったから葬儀にも行ったもん。」
とか言うの。髪型と身長聞いたら、大体一致してた。
それで、思い出してここに書いてみた。
長文失礼しました。