夢の中で教室のようなところに集められて全員で真剣な
会議をやっている。
内容は「この場にいる全員は死ぬべきか否か」
OL、主婦らしき人もサラリーマン、社長、学生様々な人が
真剣に意見を言い合っている。
「死ぬ必要がない」という意見を言う人が出ると、心の中で
応援している自分がいる。
しかし、リーダー格のような人が「やっぱり死ななくては
ならない!」と会議の流れを作り始めていった。
段々と暗澹とした気持ちになり、議論の流れが「死ぬ」という
方向に固まり始めてきた。
みんなの話など段々と上の空になってきて
「マジで死ぬことになるのか」
「いざ死ぬことになると、準備が何一つできていないぞ」、
「家族への遺書も書いていない、銀行の暗証番号なども
伝えていないし、どうすればいいのか」
という混乱した気持ちと死の現実感が段々襲ってきて
怖くなってきた。
結局、教室にいる全員が死ぬことに決定した。
(続く)
ああ、これで本当に死んでしまうんだと思うと急激に
悲しくなってきた。
薬が全員に手渡された。
一列づつ薬を飲んで眠るように倒れていく。
最初に主婦が、次に学生さんが。
ああ、いよいよだ自分の番だ、動悸が段々激しくなっていく。
自分の前に座っている男性が薬を飲んで倒れた。
いよいよ自分だ、悲しみと恐怖、口から飛び出しそうになる
鼓動、薬を乗せている手のひらに汗が噴き出している。
ああ、いよいよだ、口に入れようとしたその時、
いきなり目覚ましが鳴って目が覚めた。
夢か現実かまだ意識が混濁している頭に、
はっきり「ちっ」という舌打ちが聞こえた。
もし、あのとき目覚ましが鳴らなかったら....。
そのまま二度と起きることがなかったのではないだろうかと
思うとマジでびびった。
思ったのは、健康なのに行きなり急死している人って
実は直前にこんな夢を見せられているんじゃないかってこと。
嫌な夢だなって思った理由は、全員、見たこともない
人たちだったということもある。
夢って普通知っている人が出てくるじゃない?
これに関係した話で、自分、高専の出身なんだが、
その時に友達を二人亡くしている。
その内の一人の話なんだが、
就職活動が終わった夏におふくろを連れて帰郷したことがある。
4泊の予定だったんだが、なぜか急に帰りたくなり、
1日予定を繰り上げておふくろを残し、その足で学校の
部室に行ったんだ。そこには知らないやつが座っていた。
友達の友達なんだが、クラスでそいつだけ就職が決まらず
悩んでいるらしい
(当時は高専卒は就職は引き手あまたで夏には全員が
決まっているくらい)
見るからに好青年で成績も優秀。みんなで不思議がっていた。
自分もそいつと仲良くなり励まして明日もうちの部活に
来なよって言って別れた。
その次の日の朝、そいつが急死した。
(続く)
朝、家族の人が呼びにいったら冷たくなっていたらしい。
原因は心不全。若くて健康そのものだったのに家族の驚きと
悲しみは相当だったらしい。
誰かが言っていたが、就職が決まらなかったのも、
そいつは実は死ぬ運命が実は決まっていて学校や会社に
迷惑がかかってしまうから何らかの力が働いていたんじゃ
ないかなって。
自分にしてみれば、次の日に死ぬ人間と友達になるために
帰ったようなもので、後々複雑な思いにかられたことがある。
そいつも、もしかしてこの夢を見たんじゃないかとふと思う。