物件のスペックや立地聞いてやけに安い感じだった。
6畳ワンルームのユニットバス。
俺も友人宅へビールとつまみ持って行ったのよ。
ちょうど隣人にもばったり会って
「こんばんは~」
て挨拶交わして感じの良い人だった。
やっぱり6畳は狭いなーとか思いつつ二人でYouTube見ながら飲んでたのよ。
23時くらいから壁が
ドン…ドン…ドン…
>>18
続きます。
俺は
「隣うるさいな。なにやってんの?こんな時間に」
友人
「ああ。これ?いつもこの時間になるとドンドン鳴るんだよ。俺は気にしないから別にいいけどね。」
まぁ本人が気にしないならいいか。
その音は5分くらいで静かになった。
深夜2時くらいまで飲んだのかな。
酔っぱらって朝方帰ったのを覚えてる。
1ヶ月くらいして友人から連絡が来たんだ。
内容は…
>>19
続きます。
内容はこんな感じ。
「隣人が引っ越して出てったよ。なのに変なんだ。あのドンドンした音、まだ鳴り続けてる。」
俺
「不動産に連絡したほうがいいんじゃないか?」
友人
「もうしたよ。去年から空いてるけど、今まで何も苦情とか無いらしいんだ。」
俺
「もしかしてほら、鉄骨とかが軋んでるんじゃないの?」
友人
「それならいいが…」
その一週間くらいしてから夜中の0時前に友人から震えた声で電話がかかってきたんだ。
友人
「た、頼む…早く…近くのコンビニまできてくれ…!頼む!」
>>22
続きます。
俺はチャリで立ちコギで行ったよ。
そしたら友人の車が駐車場の隅に止めてあった。
中を見たらハンドルを握りしめて、真冬なのに額に霜のような汗を出した友人がいた。
俺思ったよ。
顔面蒼白って本当に紙みたく白くなるんだ。って。
俺
「ど、どうした!?何があった!?」
友人
「もう…無理だ…あそこは無理だ…」
>>24
続きます。
俺
「落ち着けよ。大丈夫だ。もう大丈夫だ。」
友人
「あ…あ…」
友人は安堵したのかおしっこを漏らした。
無理もない。
まともな精神状態じゃなかったんだ。
俺はおしっこの染み付いたシートに座って車を出した。
とにかく俺の家につれていこう。
俺も一人暮らしだし、替えのパンツもある。
友人を着替えさせ、コーヒーとタバコで落ち着かせた。
友人の話しはこうだ。
友人はその日疲労で22時くらいに寝たそうだ。
そしてあの23時の音。
友人は目を半開きで天井を見た。
そうしたらなにかぶら下がっている。
天井から伸びる一本のロープ。
先端は輪になっており
人が首を吊って揺れている。
その足が壁に当たって
ドン…ドン…ドン…ドン…ドン…ドン…ドン…ドン…
友人はその自殺者の光が宿らない目を見てしまったそうだ。
>>27
続きます。
なにやら、友人が自殺者を見た日はその人の命日だったそうだ。
何を訴えていかはわからない。
だが事故物件などは最初の一人は伝える義務があっても
次から義務などないそうだ。
今友人は実家で暮らしている。
精神的に辛いそうだ。
これを読んでいるあなた。
お部屋探しは慎重に……
ご清聴ありがとうございました。