ちょっとした話なんで、怖くないかも
うちの近所には有名な幽霊の逸話からつけられた名前のレストランがある
つまりそれなりに有名な話なんだけど、地元でもあまり知られてない
どこにでもあるだろう話だけど、江戸時代から昭和初期にかけて、橋のたもとに女の幽霊が出るという話があった
夜通り掛かる旅人に時間を聞き、消えてしまう
教えてくれなかった旅人は川に引き込まれる(これは後付けくさい)それくらいしか伝わってなかった
今は川の流れも変わり、その霊が出たと言われてる場所にはラーメン屋が出来て、レストランの名前の由来も知られてはいない
本題は、先日夜中にチャイムが鳴り、怪奇現象にもうんざりしていたので、来ていてくれた友人と食事に出掛けた時の事
ちょっと大きな通りを車で北に向かっていたのだけれど、ふと道の脇をみたら公衆電話ボックスがある
綺麗なお姉さんが、その中でただ立ち尽くしていた
しかし運転しているのを止めるわけに行かず、さらに進むとまた電話ボックスがあり……お姉さんがいる
これって霊か?と思いながら、四回ほどお姉さんを電話ボックスで見かけ、そのままファミレスに入った
食べたらすっかりそんな事忘れて(ここ数週間、毎日チャイムとドアノブガチャガチャされてたので慣れてしまった)、帰路につく
そこでさっきの出来事を思い出した
「さっき来る時に、綺麗なお姉さんが電話ボックスに……」
「ああ、有名だよな」
と、さらっと言われた
「あんまりにも目撃談が多くて、撤去されてないんだよ、電話ボックス」
「いや、あったよ?」
反論したが、見たと思った場所には電話ボックスもお姉さんもない
余りにも怪異に触れすぎて、幻覚を見たのかと落ち込んで、途中のコンビニで酒でも買おうかとして車を止めた時、友達に電話がかかってきた
反射的に電話に出た友達は、次の瞬間エンジンも切らずに友達が外へ飛び出した
慌てて追い掛けて、真っ青な顔の友達に問うと、電話に女の声で「今、何刻ですか」と囁かれたそうだ
通知には何にも残ってなくて、幻聴と思えたけど、確かに着メロ聞いた
でも今時そんなの聞く奴いねぇよ、と爆笑させてもらったけど、霊っていうのも進化するのかもと考えてしまった