それよりは、駅に近いか、とか日当りはどうか、部屋の使い勝手や設備等、実際的なことの方に頭が行くものだと思います。
ですから、もし、前の人が何らかの心霊現象に悩まされてそのアパートを出たとしても、それは次の人には知らされません。
それから後ろから追突される車の事故に二度遭いました。
そして仕事上で大きな怪我を負い、仕事を数か月休まざるを得ない状態になってしまいました。
その時、同じアパートの住民から、義弟が住んでいる部屋で老人が亡くなったと聞いたそうです。病気で亡くなったらしいのですが、どうも身内がいなかったので、供養がされていないようでした。その話を聞いたので、義弟はすぐにそのアパートを引き払いました。
怪我が治り、新たにアパートを探し始めた時、私も一度だけ夫と一緒に彼のアパート探しに同行したことがありました。
不動産屋で見たあるアパートは、あまり新しい物件ではありませんでしたが、日当りも良く、なかなか良い物件でした。
家賃は他の物件の6割くらいなのです。
不思議に思いましたが、その頃私達はあまり心霊に関して詳しくなかったので、取り敢えず物件を見に行くことにしました。
不動産屋はそのアパートの大家さんの言葉として、「とに角見て判断して」と言ったのです。
そこで気付くべきだったのです。
アパートに着くと、なんかどんよりしたものを感じました。
でも、私は霊感が無いので今日は曇りの日だからかな、などと思っていました。
すると、各部屋を見て回っていた義弟が「ギャッ」とも「ワッ」ともつかない声を上げたのです。何事かと思うと、彼は夫や私を突き飛ばすようにして部屋の外に押し出しました。
義弟が言うには、押入れの中に男女のカップルがいたと言うのです。
いたとはどういうことかと尋ねると、ハッキリ見えたがあれは人間ではないと。
後で聞くと、その部屋で心中した二人の魂が押入れの中に残っていて、その姿が殆どの人に見えてしまうのだそうです。
お経なども上げたようですが、まだ成仏していないらしいのです。
大家さんは困って、これでも構わない人がいたら貸したいという意向だそうです。
念の為3人で神社でお祓いを受けました。
大家さんも不動産屋さんも、初めからそういった話はするべきではないでしょうか?