【不気味な話】母の寝言

私が中学生くらいの時の話です。
その頃私と母は同じ部屋でTの字(部屋の構造上。横向きに寝ている母に私が足を向ける形)に寝ていました。
母は大体１ヶ月に1、2回は悪夢にうなされるのでそのたびに私が這い起きていって起こすのが定例になっていました。
その日も真夜中に母のうめき声で起き、いつも通り揺り起こそうと思ったのですが母の方を見るといつもとは少し様子が違いました。

続きです。
いつもは言葉にさえなっていない母の寝言がその日は聞き取れました。やけにはっきりした声で「死ぬぅ、死ぬぅ」といっていました。
まぁ私ははなっから悪夢を見ての寝言だと思っているので特に心配はしませんでした。
眠かったので起こしに行きしぶってなおも観察していると、母の目が開いていることに気付きました。
その時は怖いとも思わなかったので「明日になったら目開けながらうなされてたよって教えてあげよう」程度に思って、何故か母を起こすことなく再び眠りにつきました。

続きです。
次の日になって母にそのことを話すと、昨夜悪夢を見た記憶はないと言われました。
そこまでであれば夢を忘れるなんて良くあること、で片付けられたのですが、次に
夜中の暗さで顔の表情まで見られるわけがない、と言われました。確かにその通りだったのです。
その日の夜確認しましたが、小さな豆電球しかついていない部屋では顔のパーツを識別するのもやっとで目が開いているかどうかなど確かめられませんでした。

明日お母さんに話そう、とまで思ったくらいなので夢ではなかったはずです。