これも朝鮮での話です。
石じじいの話です。
これも朝鮮での話です。
皆さんは、「ディアトロフ事件」というのを知っていますか?これは、その話に似た話です。
じじいが、長白山脈を踏査していた時に、宿屋のある街の地元の若者たちが登山に行くと言って準備をしていたそうです。
朝鮮人が3人、日本人が4人の合計7人。
夏でしたが天候が不順で、山に行くのはどうか?とじじいは思ったそうです。
若者たちは意気揚々と出かけてきましたが、下山予定の日になっても帰ってきませんでした。
親達は心配して捜索隊を出しました。
野生動物に襲われたか、遭難した可能性があったからです。
しかも、山では雨が降ったであろうと思われました。
じじいも、山歩きに詳しく慣れているということで、街の当局の依頼と許可を得て捜索隊に参加しました。
山を分け入って、途中、山で一晩野営をして次の日、じじいたちは、テントを一張り発見しました。
若者達のテントだと思われました。
しかし、その中には人はおらず、荷物や食べ物もそのままそこにありました。
じじいたちは周辺を探しましたが、わりと簡単に、若者達は見つかったそうです。
死体として。
テントの周りの地面がどろどろに乱れていたそうです。
田んぼの中みたいに。雨でじるくなったところを歩きまわったのでしょう。
そこから、森に向かってその地面の乱れが続いていました。
(つづく)
>>670
(つづき)
それを追っていくと森の中に、つぎつぎに死体があったそうです。
彼らの死体には、「他殺」の証拠となるような傷はありませんでしたが、上半身裸の者、靴を履いておらず素足の者、ズボンを前後逆にはいていた者、近くの小川の中に頭を突っ込んでいた者など、状態がちょっと変だったそうです。
地元の人間が、殺害したのではないか?とも疑ったそうですが(のちに、官憲が捜査したそうです)、だれもその期間に入山した者はいませんでした。
死体を回収しましたが釈然としなかったと。
ただ、不思議なことがありました。
若者達が山に出発して二日後の夜、あたりにものすごい音が響き渡ったのです。
「ドッガーーーン」と一回。
そして、近くの山(彼らが登って行った山)の付近が満月のように光ったそうです(夜警の話)。
その爆音で、じじいも宿屋で飛び起きたそうです。
その山の光は、ぼーっと続いて、朝方まで残っていました。
街の人ほぼ全員が目を覚まして外に飛び出したので、その奇妙な光の目撃者は多かったそうです。
山が赤く光ったということで、山火事ではないか?なにか軍事的なことが起きたのではないか?ということで、調査隊がでたのですが、何も見つかりませんでした。
樹木一本も新しくは倒れていなかったそうです。
「がいな音やったい。床がひびいてのう、窓ガラスもわれたんで。おっとろしや飛び起きたい。大砲(の弾)がおちてきたんかとおもうたで。」
若者達の死体は、検視されたのですが、死因はわからなかったと、のちに再度じじいがその土地を訪れた際に、街の警察官が教えてくれたそうです。