小学生の頃から、年に何度かというかなり低い頻度ですが同じ夢を見ます。
オカルトと言っていいのか分からないのですが、私の身に起こっている怖い話。
小学生の頃から、年に何度かというかなり低い頻度ですが同じ夢を見ます。
年に一度しか見ない時もあれば、何度も見る年もあります(といっても数えているわけではありませんが)。
夢はまず、亡くなってしまった友人の家の前に立っているところから始まります。
この友人は私が高校生の頃、半年海外に留学している間に事故で亡くなっていました。
家は今は無人です。
どういう訳か、景色は全てくすんだセピア色なんです。
友人の家の奥は何軒か家が続いた後行き止まりなのですが、そちらに目をやると如何にもといった風貌の女が立っています。
薄汚い、ワンピースと言って良いのか分からない布切れのような白いものを纏い、手入れのされていない藁のような長い黒髪を顔に垂らしている女が。
夢ではいつも、女とは反対側に進むんです。
女は追い掛けて来るわけではないんですけれど、やっぱり怖くて。
昼間なのに、道には誰もいないんですよ。
夜なら未だしも、朝から夕方までそこら辺の道を歩けば誰かしらにいつも会うはずなのに。
それが更に恐怖心を煽ります。
そしてそこを通り抜ければあともう少しで自宅、という道の先に何故か女がいるんです。
私は目が悪いので女がどんな表情をしているのかは分からないのですが、それでも間違いなくあの女だということは分かるんです。
私は決まって悲鳴を上げながら来た道を引き返します。
すると今度は細道の曲がり角にあの女が立っていて。
コテコテのホラー映画みたいな展開ですよね。
でも、何故かここで私は自分と女の間に包丁が落ちているのに気がつくんです。
これは初めからではなく、最初に出てきた友人が亡くなってから。
それより前は曲がり角に立つ女と目が合うところで夢はプツンと切れていたんですけど。
そして、話を戻して私は何を思ったのかその包丁を拾い上げて女に振り翳します。
そこで私は初めて女の顔を目の当たりにします。
血走って開き過ぎたのか目の端は切れ、擦り傷だらけ、そして歯が全て抜け締まりなく開ききった口。
今のところ、夢はそこで終わります。
これで終われば、年に数回怖い夢を見てしまうっていうだけで話は済むんです。
ただ、この話には続きがあって。
去年、友人から「◯◯っていうホラー番組見た?」と電話がありました。
見ていなかったのでその旨を伝えると、「あの女が出ていた」と言われました。
どういうことか分からず、動画サイトで◯◯を検索して見てみると、着ている服こそ違いますが確かにあの女でした。
でもそれっぽいおばけなんて幾らでもいるでしょ、と思いましたか?
違うんです、問題はその場所。
あの女の映像は例の細道で撮影されていたんです。
彼女には夢の内容を話していたので、その番組を見てハッとなったようです。
そしてつい先日、例の細道で通り魔事件が起こったそうです。
私は地元から離れていますし、被害者の方も軽傷だったようで全国紙には載らなかったみたいですが、それを知らせてきた母によると犯人は黒い長髪の女だそうです。
夢以降の話は「偶然」で済むのですが、やはりどこか空恐ろしくて。
私の気にし過ぎで済むのなら良いのですが…。