従業員の間では庭園や2階の廊下に女の人の霊が出るとか、すでに噂にはなってたんだ
自分は0感だからそんなのどこにでもある作り話程度に思ってました
が、ある日たまたま玄関の前で自分の写真をとってもらい出来た写真をみた時に
自分の顔の横に自分の顔の大きさ位ある火の玉が写っていました
なんとなくとかではなくほんとにファイヤーなボール、まさに火の玉でした
火の玉過ぎて霊的な感じはせず怖くはなかったのですが、いつのまにかその写真は
行方不明になってました
親に見せたから親がもしかしたらこっそり何かしたのかも知れません
お客さんのチェックアウトが済んでお風呂の掃除を終えた自分は、昼休みで
少し寝る事にしました
旅館には地下があり、冷蔵庫や従業員食堂、更衣室があるのですが、自分は
誰も来なくて静かな男子更衣室で真っ暗にして眠ってました
少し寝てると何か異変を感じて目が覚めたのですが、なんだか空気が重い
高いところに行って気圧が変わる感じというか、全身を全方向から押される感じがしました
やばい!これは起きないと!まだ寝てるのかも知れないから起きないと!
と思い自分の状態を認識したのですが、意識ははっきりしていて明らかに起きていました。
ですが、体は全く動きません
そして仰向けに寝ていた俺は自分の足元がうっすら緑色っぽく光っている事に気がつきました
あ、これは本気でやばい!と思いました
さらに濃くなり男の姿もはっきりと見えました
白い着物に落ちたマゲ髪、まるで死刑になる間際の落武者でした
もの凄い恨みの形相でおれを睨んでいました
生きている者ではない、同じ世界のものではないのはわかりました
このままでは殺されると本気で思った俺は泣きそうになりながら足元の落武者を必死で蹴りました
体はもう動きました
が、当たり前のように蹴りは落武者をすり抜け何度も空振りしました
パニクって何度も蹴った後、改めて体が動く事に気がついた俺は勇気を出して起き上がり
部屋の電気をつけ更衣室の扉を開けました
そこにいくには自分の足側、まさに落武者を通り抜けないといけないのですが、殺されるより
ましなので必死で動きました
そして更衣室を出て電気がついて明るくなった部屋を振り返ったのですが、もう落武者は
いませんでした
その後フロントまで走って戻りすぐに先輩にその事を話しました
俺はその後は何もなかったのですが、1、2ヶ月後に今度は料理人がやはり地下で
何かを見たらしくお祓いの人が来ていました
そらから半年程度で俺は旅館をやめたのですが、今はその旅館はつぶれてしまい営業してません。
建物は今もまだそのまま残っているみたいです。
当時は何度もテレビの撮影、有名人が来ていてそこそこ名の知れた旅館でした
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