16: 本当にあった怖い名無し 2009/06/04(木) 04:35:21 ID:ouAiia8VO
その日は雨だった。
俺はスーパーに勤めてるんだけど、雨だと客の入りは半減。
加えて、今日は特売日でもないので暇な一日になるんだろうな~、等と考えながら出勤。
案の定、開店後数時間が過ぎても客足はまばら。
その日に届いた商品を出し終えると、完全に手持ち無沙汰になってしまった。
しょうがないので、明後日からの特売の準備をする事に。
倉庫から大量の商品を引っ張り出し、正面入口前に黙々と積み上げていく。
ガー。ざっざっざ。自動ドアが開き、客が入ってくる。
入口に背を向けたままではあるが、客が来れば声を出す。
商品を積む。自動ドア。
「いらっしゃいませ」。このサイクルがしばらく続いた。
強い陽射しのせいか、うなじのあたりがチリチリする。
「おい、どうした?」
怪訝な顔をした店長がやってきた。
「いえ、あんまり暇なんで明後日の……」
そこではたと気付いた。店内に客はほとんどいない。
客が入ってくる気配はあったが出ていく気配はなかった。
振り向けば外は雨。陽射しなどあろうはずがない。
いったい何が来店したんだろう