24時間営業の飲食店のバイトばっかりしていた。
そこの飲食店の入っているテナントは昔火事があり、
その時の犠牲者と思しきオッサンの霊が出るとされていた。
引用元: ・ほんのりと怖い話スレ その74
今から10年近く前、学生だった僕はろくに学校も行かずに
24時間営業の飲食店のバイトばっかりしていた。
そこの飲食店の入っているテナントは昔火事があり、
その時の犠牲者と思しきオッサンの霊が出るとされていた。
どうやらその霊は誰にでも見えるほどに存在感があるらしいのだが、僕には全く見えなかった。
従業員が怖がって次々と辞めていく中、
入店一ヶ月ほどの僕が繰り上がりで深夜営業のチーフになってしまった。
そこで働いている時に出会ったバイト仲間、Mさんの話をしようと思う。
Mさんはものすごいヘビースモーカーで、未だに彼以上の愛煙家は見たことがない。
食事と睡眠と風呂と接客をしている時以外は常にタバコを咥えていた。
普通の呼吸をしているよりも煙を吐き出しているほうが多かったように記憶している。
その日の勤務は僕とMさんの二人体制だったのだが、働き始めてすぐに店に電話がかかってきた。
相手は年配と思しき男性だったのだが、しきりに「Mさんと代わってくれ」と慌てている。
従業員個人宛てに電話がかかってくることなど滅多にないことなのだが、
店の電話を私用に使われるのもいかがなものかと考えた僕は頑として代わらなかった。
「どういった御用でしょうか?」と聞いても「Mさんいるんだろ!?代わってよ!!」
と繰り返す男性。
僕「ですから、用件を仰ってください。内容によっては代わります」
男「Mさんの部屋が火事なんだよ!!」
電話をかけてきた男性は火災の通報者で、Mさんの住むアパートの大家だとか。
食器を洗っていたMさんに受話器を渡すも、Mさんの反応は薄かった。
あぁ、はい、そうですかの三つを何度か繰り返し、そのまま彼は電話を切った。
そして食器洗いの続きをやり出すMさん。
「え…?部屋火事って…?」
「いや、燃えたらしいです」
「そうじゃなくて、慌てるとか色々あるっしょ?帰らなくていいの?」
「ん~俺帰っちゃったら店一人になっちゃうでしょ。
帰ったところで火が消えるワケじゃないし、食器もまだ途中だしさ」
色々と突っ込みたかったが、すぐにまた電話が鳴った。
相手は先ほどの大家。
Mさんとまた話した後、僕はMさんを無理やり帰宅させた。
そして浴室から出るとすぐにタバコに火をつけた。
体が濡れていようが頭が濡れていようが、彼にとって最優先はタバコなのだ。
そしてタバコを咥えたまま頭をバスタオルで拭き、タオルを丸めて洗濯カゴの中に放り込む。
ここで咥えていたはずのタバコがないことに気づいたらしいのだが、
深く考えずにとりあえず新たな一本に火をつける。
そして服を着て出勤。
彼の部屋は燃えた。
放り投げたタオルの中に火がついたままのタバコが丸めこまれてしまったのだ。
脱衣所に溜まった衣類が燃え、その煙がもくもくと出ているのをアパートの裏に住む大家が発見、
通報。
Mさんのバイト先を知っていた大家が店に電話をかけて知らせてきた、という流れらしい。
幸いにもMさんの部屋の脱衣所付近が燃えた程度で消し止められたのだが、
火元が脱衣所ということで警察は放火の疑いをかけた。
しかし調べてみると脱衣所からMさんのものと思しきタバコの吸殻が発見された。
Mさんは消防署に出頭命令を受け、そこでがっつりと怒られた挙句に始末書を書かされたらしい。
アパートから出て行けと大家に言われてしまったMさん。
仕方なく新居を探し始め、やっすいボロアパートに決めた。
長くなって申し訳ないが、ここからが本文だ。
一度だけ行ったことがあるのだが、とんでもないボロさだった。
6畳の和室が二つ、便座とドアの距離が異様に近いトイレ、
一人が膝を抱えて入ったらいっぱいになる正方形の浴槽。
どこを見ても「The☆昭和」という雰囲気満載のそのアパートには、
1階と2階にそれぞれ3部屋ずつ、合計6部屋あった。
2階の一番奥の部屋がMさんの部屋で、
他には1階の手前の部屋に黒人が3人ほど共同で住んでいるだけ。
残りは空室らしい。
霊感というヤツを持たない僕が見る限り、いかにも「出そう」なアパートなのだが、
Mさん曰く「ボロいだけで、ここには何もいない」そうだ。
いや、「何もいなかった」という言い方のほうが恐らく正しいのだろう。
Mさんは幽霊が出るという噂を聞きつけた上で望んでうちの店に来た変人だ。
当然あちこちの怪しい物件を探しまくった。
そして何件か見つけたらしいのだが、いわくつきのクセに家賃が高く、
フリーターのMさんでは維持できないところばかりだったらしい。
そういったいわくつきの物件というものはお払いやら改装やらで金がかかっているところが多く、
総じて家賃が高くなる傾向のようだ。
むしろ何も手をかけていないボロ物件のほうが何もない。
全部Mさんの受け売りだが。
そしていわくつき物件を探し歩いたMさんは、その中から「何人か」を連れてきてしまった。
その女の子はMさんの部屋のドアのすぐ手前に体育座りしていたらしい。
何件か見たいわく物件のうちの一つで、Mさんはその女の子を見ていた。
小学校高学年ほどであろうその女の子はずっと下を向いたままで表情はわからない。
そしてすぐ横を通り過ぎるMさんにも何の反応も示さない。
咥えタバコのまま「なんだ、つまんねーな」と言いながらMさんは鍵を開けて部屋に入った。
そしてそのまま朝日をカーテンで遮って眠った。
夜、仕事のために起きたMさんはタバコに火をつけ、シャワーを浴びるために服を脱ぎ、
浴室へ入った。
そこで何かを感じたMさんは、おもむろに浴槽の蓋を開けた。
中にはその女の子がいたらしい。
しかし、顔を上げていた。
その女の子は笑っていた。
ただ、目だけがものすごい釣りあがった笑顔だったそうだ。
さすがにぎょっとしたMさんは蓋をバンッと閉め、そのまま出勤した。
嬉しそうに
「笑顔の霊って始めて見たよー。びっくりしたー」
と話すMさんに、僕は何も言えなかった。
そっと蓋を開けてみると、何もいなかったらしい。
出勤前にシャワーを浴びられなかったMさんはそのまま服を脱いでシャワーを浴び、
少しワイドショーなどを見た後に寝ようとした。
押入れにある布団を出そうと襖を開けたとき、そこにあの女の子がいた。
押入れの上の段に座っていたその女の子はやはり奇妙な笑顔で、
襖を開けたMさんのすぐ目の前にいたらしい。
またもやぎょっとしたMさんは「もぉぉぉぉぉっ!!」と叫びながら襖をバンッと閉め、
畳の上でそのまま寝た。
Mさんと女の子の同棲が始まった。
トイレの蓋の上や部屋の隅など、Mさんの部屋のどの場所でも見られるが、
その女の子は体育座り以外では出現しないらしい。
そして現れる瞬間や消える瞬間も見たことがないという。
消える瞬間を確かめようと女の子の目の前で同じように体育座りをして待ってみたらしいが、
その笑顔を見続けることができないのだとか。
どんなに頑張っても耐えられないらしい。
視界に入っている間は何時間でもそこにいる。
しかし、眠りに落ちたり部屋から出たりすると消えてしまう。
一人暮らしの寂しい30手前男であったMさん。
趣味はゲームとタバコ。
一方、霊は女の子。
当然エロいことなども色々考えた。
でも、部屋にいると性欲は一切沸かない。
食欲もない。
触れようという気も全く起きず、勃つモノも勃たない。
タバコすらあまり吸いたいと思わなかったそうだ。
一般人並には吸っていたらしいが。
話しかけても何も反応がなく、寝るしかないのだそうだ。
ある日ふと「そういやここんとこ見てないな」と思って扉や襖を開けたり閉めたり色々やったそうだが、
現れなくなったらしい。
そして代わりに別の現象が起きるようになった。
その別の現象に追い出されたのか、
それともその現象を引き起こしているのが消えた女の子なのか、真相はわからないが
「いなくなっちゃったんだよー」と語りながら煙を吐くMさんは少し寂しそうだった。
その別の現象についてはまた別の機会に書くかもしれないし書かないかもしれない。
大したことじゃないと思うので。
以上スレ汚し失礼。
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