854: 本当にあった怖い名無し 2012/01/27(金) 21:13:13.88 ID:wS3U9m1M0
結婚を考えていた女性がいた
ある日の晩、一緒に繁華街で遅い晩飯を済ませ軽く呑んだ後
彼女をタクシー乗り場まで送った
「次はいつデートしようか?」
と浮かれて聞く自分に、彼女は
「うーん…もう逢えないかもね…今日でお別れかな」
突然の別れ話に呆然として言葉が出なくなった自分を尻目に
タクシーのドアが閉まり発車
目の前の交差点で猛スピードを出している車が
タクシーの横っ腹に突っ込んだ
それまで呆然としていたが衝突音で我にかえり、
慌ててタクシーまで走ったが
後部席は見るも無残な状態で、一面真っ赤になった
車体を見て彼女を助ける事は不可能だと知った
《今日でお別れかな》
瞬時、その言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡り、
彼女はもしかしてこの事を予知していたのか?と
偶然だと片付けるには不自然な彼女の言葉に全身の毛が
逆立つ様な寒さを覚えた
それ以来、タクシーに乗ろうとする度に彼女の言葉が
頭の中を走り
次にいつ自分がその言葉を口にしてしまうのかと思うと
怖くてタクシーには乗れなくなった
最近は、歩いて行ける距離であれば乗り物は使わずに
徒歩で向かうよ、と彼は苦笑いを見せたが
彼のせいで俺もそれから暫くはタクシーが怖かったのは
言うまでもない