中学の時の話。
あんまり恐くなかったけど、忘れられない出来事がある。
うちの親戚は毎年お盆に集まって、祖父母の家で宴会をしてる。
大人たちは遅くまで騒いでいたけど、子供たちは8時位に
寝るように言われててね。
私は両親と同じ10畳間に寝るように言われてたんだけど、拒否。
厨二全開で「一人になりたいの…」って駄々捏ねて、
二階の6畳一間に一人分の布団を敷いて寝た。
祖父母の家は古い家で、日本人形はやたらめったら
置いてあるし、畳は軋むし、
昼間でも二階に一人で上がるのは怖かったんだけど、
恐怖心より厨二心が勝ってしまったんよ。
一時間くらいたったかな、うとうとしていると、廊下側の襖が
すーっと開いた。
母が様子を見に来たんだな、と思った。
目を瞑っていたけど、廊下から漏れる光が眩しかったのと、
喧しい宴会の音を覚えてる。
母は私を起こさないように気を遣ったのか、すり足で近付いてきた。
と思ったら急に走りだし、思いっきり私の腹を踏んで、
そのまま隣の10畳間に駆けこんでいった。
そんなに痛くなかったけど、酔っ払いめが…!と母の奇行に
腹が立った。
明日は母を徹底的に無視してやると思いながら、眠ろうと目を閉じた。
が、腹を踏まれたせいか、急にトイレに行きたくなってね。
トイレは一階にあるので、階段を降りてちゃっちゃと用を済ませた。
部屋に戻る時、二階に上がる階段の前でおつまみを運ぶ母に
出くわしたので、
無視は明日からじゃ!と、さっき踏んだ事に文句をつけた。
すると、母はきょとんとして「二階にはあんた以外、
誰も上がってないけど」と…。
速効で布団敷き直して、両親と寝た。
襖から漏れる光や音がリアルで、今でも自分が寝ぼけて
いたと信じられないんだよね。
あれは一体誰だったんだろうなー。
オチとかない話でごめんね。