霊感の全くない私が唯一体験した、ほんのりよくわからない話です
初めて書きます
霊感の全くない私が唯一体験した、ほんのりよくわからない話です
私が小学校5年生のころ、臨海学校がありました
場所は近畿の小学生なら大体が行ってるであろうM県のK島です
夜のレクリエーションの肝試しでそこの施設の館長さんが散々「ここは昔海賊がよう出て商船
がたくさん襲われた。その殺された人達の怨念がまだウロウロしとる」
などと言って怖がらしていましたが、そんなに心霊スポットという訳でもないと思います
私たちはクラス混合の女子と男子の班に分かれて、一日目は女子がコテージで男子がテント
に宿泊し、翌日の夜は逆になると聞かされました
一日目のコテージは中に入ると八畳ほどのフローリングのリビングがあり、そのすぐ左手に
通路を隔てて二段構造の寝場所が向かい合ってありました
わかりづらいですが畳が敷いてあって、寝るときは自分達で布団を敷く宿舎のようなものです
その通路中央の天井に常夜灯がひとつだけついていました
私は通路から入って右側の、一段目の端に場所を取りました
一段目の枕元の壁には磨りガラスの長窓がついていて、そこを開けたり閉めたりして外からちょっかいを
出す同級生とギャーギャーふざけ合っていました
夜に肝試しが終わり、興奮しきって消灯間際までさっき幽霊を見ただの怖い話を男女入り乱れて
話していたのでさすがに先生が注意しに来て男子はテントに帰され、やっと皆で就寝しました
私は小さいころから豆電球のオレンジの灯りが何故か不気味に感じて、真っ暗にしないと中々
寝つけない神経質な子供だったため、その日は常夜灯の灯りが気になってウトウトしながら起き、
またウトウトするのを繰り返していました
何度目かに目が覚めたとき、そう遅い時間帯でもなかったと思いますがヒソヒソ話の声が消えて
もう皆寝静まっていました
眠くてボーっとしつつ何となく視界の隅に動くものを感じて通路に目をやると、女の人が立って
いました
髪の毛は黒くてパーマのかかったセミロングのようで、白いジャンパーを羽織っていてジーンズの
ような黒いズボンを履いていました
同行していた保健の先生が同じような服装と髪型をしていたので、私はすぐに保健の先生だと思いました
続きです
その先生(?)は人差し指を立てて点呼をとる仕草で上から順番に生徒を指差し、下で寝る生徒も順に
差していたので(私も差されました)、私はああ先生が夜の見回りに来てはんのやなぁと完全に思い込みました
ボンヤリ見ているとその先生は反対を向き、次は向かい側に寝る生徒の数を人差し指で数えていきます
そして終わるとまたこちら側の生徒の数を数えだします
それを見つつウトウトして、また起きて見ると相変わらず同じ場所で何回も何回も延々と点呼を繰り返し
ているので、さすがに「?」と思いました
なので顔や表情を見ようとするのですが、その人の顔はどれだけ見ようと目をこらしても
ぼやけてわからなかったです
夜の星を見たときに、視線を外せば見えるのに焦点を合わせようとすると途端に見えなくなることが
ありますよね?
ああ言った感じで、その人の目鼻口の存在はわかるのに顔を見ようとすればするほどぼやけて
のっぺらぼうのようになって行く感じでした
すると職員さんのものらしい車がやってくるエンジン音と、長窓を通して車のライトが射して部屋の中が
一瞬パッと明るくなりました
そのライトが消えて車がコテージ横を通過した後には、その女の人もいなくなっていました
でもまだ私は先生いつ帰らはったんやろう、とボンヤリ思っていたような覚えがあります
翌日本当の保健の先生に、昨日の夜にコテージの点呼に来てた?と聞きましたが、先生は
いや行ってへんよ?と言うだけでした
それを聞いても特に怖くは感じず、じゃああれは誰やったんや?と益々不思議に思うだけでした
今でも多分寝ぼけてたんだなと思う気持ちと、もしかしたら霊だったのか?と思う気持ちが半々の、
何とも不思議に感じる体験です