怖い話

【少し怖い話】お姉ちゃんとの奇妙な思い出

507: 本当にあった怖い名無し 2012/01/17(火) 15:38:26.42 ID:
数年前のお盆の日。
姉ちゃんと一緒に婆ちゃん家に行った時、変な経験をした。

 

 

 

510: 本当にあった怖い名無し 2012/01/17(火) 16:46:27.44 ID:

婆ちゃん家は海の近くにあったんだけど、姉ちゃんの車を停める場所が家にはなくて、海辺に車を停めることにしたんだ。
人の邪魔にならない場所がここしかなかったから。

色々行事が終わって家に帰ろうという時にはもう夜だった。
月明かりの下、海辺に向かって姉ちゃんと二人歩いた。
あたりには誰もいなかった。

 

512: 本当にあった怖い名無し 2012/01/17(火) 17:41:46.28 ID:
ふと右足首に違和感があって、ズボンの裾でも靴に絡まったのかと思って見たけど、何にもなってなかった。
それから何となく段々と右足首が重くなって、段々と歩くスピードが落ちた。
どんどん遅くなり、最早すり足の牛歩になってるのに、姉ちゃんはこちらを見ない。
姉ちゃんは変わらないスピードでスタスタ歩いてしまって、差が開き、とうとう姿が見えなくなってしまった。

 

513: 本当にあった怖い名無し 2012/01/17(火) 17:45:16.26 ID:

ここに来ていよいよ不味いことになったと思ったけど、止まるのはもっと良くない気がして牛歩でも歩いた。
暗いあぜ道を気配を感じつつ牛歩で歩くのは、とても長く感じたし辛かった。

ふと、ある場所で嘘のように足の重さが消えた。
途端に急ぎ足、10歩も歩けば車についた。
車には姉ちゃんがエンジンふかしつつ待っていた。呑気に。

 

505: 本当にあった怖い名無し 2012/01/17(火) 15:08:11.74 ID:

車の中ですぐに姉ちゃんに抗議した。
置いてくなんて、遅く歩くのを気づきもしないなんて薄情だって。
姉ちゃんは驚いてこう言った。

姉ちゃん:「だってアンタ、女の人とおしゃべりしながら歩いてたじゃない!だって、女の人と肩を組みながら喋ってたじゃない。だって、あんなに熱心に喋ってたじゃない。邪魔になるといけないから先に行ってただけなのに」

 

506: 本当にあった怖い名無し 2012/01/17(火) 15:31:10.07 ID:

引きつった顔で、姉ちゃんに自分は一人だったこと、足が重くて歩けなかったことを話した。

その後の車のスピードは言うまでもなく速かったし、途中のコンビニで塩を買ったし、
婆ちゃん家に電話して、親戚と一緒ではなかったことを姉ちゃんに証明したりした。

 

508: 本当にあった怖い名無し 2012/01/17(火) 15:48:43.34 ID:
後日、事情を話した親戚と一緒に同じ道を歩いてみた。
足の重さが消えた『ある場所』には小さな祠があった。
「この祠はご先祖様を祀ったものなのよ」と説明してくれた。

 

509: 本当にあった怖い名無し 2012/01/17(火) 16:28:40.39 ID:

ご先祖様が幽霊から救ってくれたのか。
それとも女の人こそがご先祖様で、祠までの帰り道を一緒に歩いただけなのか。
それはちょっと分からないけど、手を合わせた。

どちらにしろ、お盆の霊は海や川を渡ってあの世に帰って行くらしいし、いくら駐車スペースがなくても海辺に車を停めるのは良くなかった。

 

 

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