ある小学校教師が残業で手間取っていた。もう夜の8時になる、辺りが真っ暗だ。
担任の教師から聞いた話。
ある小学校教師が残業で手間取っていた。もう夜の8時になる、辺りが真っ暗だ。
男はさっさと仕事を終わらす為に、デスクに向かった。
その時電話が急に鳴りだした。
こんな夜中に誰だろう? 男は電話に出た。
「はい?」
だが、返答しても向こうはなにも言ってこない。数秒した後、電話が切れた。
男は不思議に思いながらも、電話を下ろし、再び仕事を開始した。
すると、また電話が鳴りだしたのだ。男はイライラしながら電話に出る。
「はい!?」
だが向こうからはなにも聞こえない。男は自分から切り、デスクに向き直った。
ところがまた電話が鳴ってくる。
それを一時間くらいやりとりが続いたので無視することにした。
ようやく仕事が終わり、学校中にカギを掛ける作業に移った。
あとひとつ、体育館にカギを掛けに向かった男は、体育館前に立ち、カギを閉めようとした瞬間、暗くてよく見えないせいか、カギを中に落としてしまった。
男は溜め息混じりに、中に入り、カギを拾った。
その瞬間、扉がバタンとしまった。
男はパニックに陥り、慌てて照明ボタンを探した。照明ボタンを押して、体育館を眺めると殺風景な感じだった。
あれ!? 男は真ん中に目を凝らしてよく見た。
小さな女の子がボールを持って遊んでいる。
やばい…。男はそう思った。
絶対になんかある。男はそう直感して、さっさと去る事にした。
扉を開けようとした。だがなぜか扉が開かない。
男は戦慄を覚えながらも必死でドアを開けた、それでも開かない。
その時、ボールを突く音がピタリとやんだ。
男は後ろを振り返ると、真ん中にいた女の子がニコニコ笑いながら、こちらに向かってくる!
いや、よく見ると女の子の顔は80歳ぐらいの顔をした老婆であった。
男は悲鳴をあげながら必死で体当たりをしてやっと扉を開けた。
男は職員室に入り、身支度を整え、部屋から出ようとした。
その瞬間、
プルルルルルル!!!
部屋中に置いてあった全ての電話が鳴りだした……。
男は急いでその場を後にした。
男は学校の出口へむかいながらも、持っていた携帯で友人に助けを求めた。
プルルルルル…
プルルルルル…
プルルルルル…
…
3コールめで繋がった。
「◯◯?(友人の名前)ちょっといいか?」
「…」
友人から返答が無い。
「もしもし◯◯?聞こえてるなら返事しろよ?」
「…でしょ」
微かに「でしょ」って聞こえる。
「聞こえないよ、何?」
「…でしょ」
「えっ?何?もっとはっきり言ってくれないか?」
すると、小さいけど低いはっきりした声で…
「あなた死にたいんでしょ?」
男は、
「いや!死にたくない!!」
と、叫ぶと
ツー…
電話が切れた。