奇妙な話

【奇妙な話】霊感がないはずのに見えた

2016-05-20_182831

幽霊を見た事があると言う知人の話。

彼が電車に乗っていた時の事。
途中の駅から若い女性が乗り込んで来た。

凄い美人でミニスカートから綺麗な足が伸びている。
女性は開いている席を探している様な、 知人を探している様な様子で車両を歩いていたらしい。

 
彼が鼻の下を伸ばしながら女性を見ていると 隣の席に座る老女がいきなり話しかけて来た。

「あんたにも見えるんだね‥」
「?」

彼が何を言うんだこの婆さんと言う顔で見返すと

 

「周りを見てごらん‥ あんた以外にアレを見てる者はいるかい?」

 

彼はハッとしてしまった。老女の言う通りである。
あれだけの美女があんな短いスカートをはいているのに 誰も女性を見ていないのだ。

 

頭の悪そうな男子高校生さえも一瞥もしない。

老女は独り言の様に話を続けた。

「あたしはプロだから見えるんだけどね、 でもあんた見たいな素人にも見えるとは珍しいね。

アレはかなりタチの悪いモノだよ。 この近くで電車に飛び込んで 成仏できずに彷徨っているんだろうけど‥」

「飛び込みですか?でも‥」

 

 

彼は思わず聞いてしまったと言う。
老婆は女性が電車に飛び込み自殺をしたと言うが 女性は生きているかのように綺麗だったからだそうだ。

 

 

55: 本当にあった怖い名無し 2009/08/11(火) 20:04:51 ID:dUht4fp90

「あんた、映画の見すぎだよ。 アンなモノでも昔は女だったんだよ。
女ってのはね、死んでも尚、綺麗でいたいものなんだよ。
あたしがこれまで手がけた女モノは皆、
生きてた時、一番綺麗な姿で出て来たよ。
そんな事より ホラホラ、アレが来るよ。あんた絶対にアレと目を合わせちゃ駄目だよ。」

 

女性は彼と老女に気付いたのか歩調を速めやってくると

 

彼の前に立ちはだかった。

 

彼は本当に生きた心地がしなかったそうだ。

目をギュッと瞑りジッと下を向いたままであったと言う。

電車が次の駅に着いた時、やっと隣の老婆が声を掛けくれたらしい。
「もういいよ。ほら、アレは獲物を見つけて出て行くところだよ。」

 

彼がゆっくりと目を開けて顔を上げると女性は

二十歳そこらの、見た目の良い男と電車を降りるところだった。
「女の性なんだろうね‥捕りつく男もカッコ良いいのがいいのかね‥」
(彼はハゲ、デブ&オヤジのスリーカードを持っている。)
と言うと老女はニヤリと笑い言葉を続けた。
「今日はサービスしといてあげるよ。
依頼なら一本は貰っているところだけどね。」

 

彼はそれ以前もそれ以後も幽霊は見ていない。

 

なぜ、あの時だけ彼にアレが見えたのか?

一本とは十万円なのか?

百万円なのか?は未だ彼には分からないと言う。

 

 

56: 本当にあった怖い名無し 2009/08/11(火) 20:19:57 ID:3wGYr67L0

>>55
面白かった。乙!
それにしても 取り付かれた20代イケメン男には
その女の姿は見えていたのかな?

 

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