3年前の話で、あるアパートで暮らしていた時のことです。
そのアパートは一階建てで、部屋が横に三部屋並んでいます。
一号室、二号室、三号室といった具合です。
大きな交差点が近くにあるため、騒音になかなか慣れず、 車が少なくなる十二時すぎにしか眠りにつけませんでした。
引っ越してきて十日程して、あることに気がつきました。
毎晩十一時半を少し過ぎると、きまって誰かがドアをノックするのです。
よく聞いてみると一号室から順に三号室まで、 「コンコン、コンコン、コンコン(1から3まで二回ずつ)」と、こんな感じに。
しかし、このノックもほっておけば何事もなく、ただ通り過ぎるだけでした。
毎晩毎晩のことで気になって仕方がありません。
それにノックの最中に人の足音がないということも気になって、 直感で霊と判断しある霊能者に相談しました。
直感は当たっていて、ノックをしているのは すぐ近くの大きな交差点で事故に遭った4歳の男の子で、 成仏しきれずに話し相手を探しているのだとか。
実際に新聞で事故があり、確かに4歳の男の子が事故にあってます。
霊能者によれば、ノックをやめさすには誰かが話し相手になってあげて、 話を聞いてやればいいとのことで、早速話し相手になってあげることに決めました。
ただし霊能者曰く、絶対にドアは開けるな、とのこと。
その日の夜、いつも通りノックがきました。
一号室、二号室、そして私の部屋・・。
勇気を出して「コンコン」の後に「コン」と返しました。
その後二人の間でルールを決めました。
YES=ノック一回、NO=ノック無し。数字=回数。
私: 「可哀相に、交通事故だって?」
少年: 「コン・・」
私: 「いくつ?」
少年: 「コン、コン、コン、コン」
私: 「四つか・・・。お父さん、お母さんは一緒?」
少年: 「・・・・・・・」
私: 「そっか・・一人か・・お兄ちゃんが供養してやるから、成仏してくれるか?」
少年: 「・・・・・・・」
私: 「(ちょっとピンチ)あ、そうそう友達はできたか?」
少年: 「コン。」
私: 「それはよかったじゃん!今来てるの?」
少年: 「コン。」
私: 「ふぅん、そっか。何人いるの?」
ドア: 「ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!」
あまりの怖さに布団に包まってしまいたよ。
しかし、この日を境にノックはされなくなったのです。
少年は成仏したくないと言ったはずなのに・・・・・