夏休みちょっと前くらいの事、俺と友人A、Bが夏休み中にN県の山奥へキャンプへ行
こうと計画を話していると、それを聞いていた留学生2人が「一緒に連れて行って欲しい」
と声をかけてきた。
引用元: ・死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?211
なかったため。なぜ?と皆疑問に思ったが、まあ断る理由も無いためokする事にした。
当日。
今までその留学生2人(C、D)と殆ど話をした事が無かったため、この機会にと
話してみると、2人とも少しナルシストっぽいところと自己中なところはあったが、
まあ普通なやつだった、(少なくともその時の俺はそう感じた)
他愛も無い話を続けてながら電車にゆられ、途中からバスに乗り換えキャンプ場に
付いたのだが、時期が時期であったため家族連れやら俺達と同じような学生やらで
キャンプ場がごった返している
A「ここでキャンプするのか?なんか“ゆったり”とか“のんびり”とか
全くできなさそうだぞ?」
俺「そうだな、なんかトイレや流し場なんか順番待ちの行列になりそうだな…」
すると、会話に加わらず地図とにらめっこしていたBがこんな事を言い出した
B「この先2km奥に砂防ダムがあるっぽいんだが、そこが結構開けていて
キャンプできそうだぞ、そっち行かね?」
続く
迷わずBの意見に賛成した。
幸いキャンプ道具やBBQ用の道具は持参しているので、何も無い場所でも
問題なくキャンプは出来る。
むしろ人工的に作られたキャンプ場よりそっちのほうが良いんじゃないか
とも思えてくる。
俺達は荷物をもって山道を進んでいったのだが、山道と言う
ものを少し甘く見ていた。
当初の目的地のキャンプ場に着いたのは昼頃だったのだが、砂防ダムに
付く頃には午後3時を過ぎていて、疲れていたが早々にテントの設置と
晩飯の準備を始めないといけなかった。
俺とAはテントの設置と晩飯用のかまどなどの準備、BとC、Dは薪拾い
にと、2手に分かれて作業をする事にし、俺とAは黙々と作業をし始めた。
BとC、Dは何往復か薪をもってやってきて、次で最後かな?と
考えていたが、いくら待っても3人が戻ってこない。
時間は手際が悪かったのと遊びながらだったため予想以上にかかって
しまい、もう6時を過ぎている。
そろそろ暗くなるし早く戻ってきてくれないかな…
などと考えていると、林の中から口論のような声が聞こえてくる。
暫らく俺とAが暫らくそれに耳を傾けていると、BとC、Dが口げんかを
しながら帰ってきた。
続く
俺とAは、こんなところまで来て喧嘩をしたくないため、まあまあと
3人を宥め、ひとまず平和に晩飯を済ませ、いまだぶちぶち文句を
言っているC、Dをテントに押し込めると、俺とAはBに別のテントの中で
事情を聞いてみた。
~以下はBの語った話~
3回目の薪拾いをしていると、留学生の片割れのDが川の上流の岩場の
先に洞窟をみつけたらしい。
3人がその洞窟の中に入っていくと(洞窟というより人口的な洞穴っぽかったらしいが)
10mほど奥にボロい小さな祠があったらしい。
Bは何かその祠から嫌な感じがしたため、早急に立ち去りたかったらしいが、
留学生2人は大興奮していて、Bの制止を一切聞かずに祠の扉を開けて
しまった。
B「おい、やめろよ、こういう場所は意味があるんだ、余計な事するなよ」
C「別にいいだろ、誰も見て無いし」
D「ビビってるのか?」
CとDは完全にBをバカにしていたらしい。
そして、扉をあけたCが何かを見つけた。
それは半透明の茶褐色で、一見すると琥珀っぽい
石のようなものだった。
続く
とにかくその石を置いて洞穴から出て行かないといけないと感じた
らしい。
そして口論となった
B「それはこの祠の物だろ?さっさと元に戻してもどろう」
D「俺達が見つけたんだから俺達のものだろ」
C「こんなところに無用心にあるんだから捨ててあるのと同じだろ、
俺達が貰っても問題ないはずだ」
B「誰のものとかそうじゃなくて、それはそこに安置してあるもの
なんだから、勝手に持ち出しちゃだめだろ!」
C、D「誰がそんな事決めたんだよ!」
B「祠があるってことは誰かがここを管理してるって事だろ!
人のものじゃないか、さっさと戻せよ!」
C、D「大事な物なら鍵くらいするだろ、無いなら捨ててあるのと同じだ!
だから俺達の物だ!!!!!」
Bが何を言ってもC、Dは言う事を聞かず、最後には顔を真っ赤にして激怒し始め、
そのまま口論をしながらもどって来て今に至るらしい。
俺とAがC、Dの非常識さに呆れていると、Bはこう言い出した
B「実はさ、あの祠の扉、何かお札みたいなのが張ってあったんだ…
Cはそのお札を破いて扉を開けていた、あれは絶対何かヤバイ
ものだって…」
続く
視線がこちらを覗いているような気がしてきて、急に寒気がしてきた。
Aも同じように感じたらしく押し黙っている。
すると、外でCとDが騒ぐ声がする。
どうやら2人は俺達はほっといて外で酒盛りを始めたらしい。
俺達3人はそこに加わる気にもなれず、留学生2人に「もう寝るから
少しはなれたところでやってくれ」と伝えると、テントに入って
寝る事にした。
その時、CとDどちらか知らないがボソっとそいつらの国の言葉で
俺達をバカにするよな言葉を吐いたのを良く覚えている。
発音のニュアンスと表情でそれがわかった。
真夜中
俺は何かの物音で目を覚ました。
テント近くの広場を誰かが歩く音がする。
始めは誰かションベンでも行ってるのか?と思ったが、何か様子が
おかしい。
足音は2つのテントを中心に広場をぐるぐる回っているようで止まる気配が
無いうえに、それどころかどうも段々と足音の人数が増えている。
CとDが何かしているのかとも思ったが、足音から察するに人数は
少なくとも5~6人はいる。
それと何か良く解らないが妙な違和感も感じた。
続く
AとBははじめ寝ぼけていたが、外の様子がおかしい事に気付くと
目がさえたらしく、聞き耳を立て始めた。
暫らく聞き耳を立てていると
B「何かおかしくないか?」
俺「どう考えても今の状況はおかしいだろ」
B「いや、そうじゃなくて…」
A「じゃあなんだよ…」
そこで俺は違和感の正体に気が付いた。
俺達がテントを張っている場所は開けているとはいえそこまで広く
はない、広さは畳15畳ほどだろうか。
その周囲を大回りに歩けば、普通は草のすれる音やすぐ横にある川に
入って水しぶきをあげる音がしないといけない。
でもそんな音は全くしない、ただ地面を歩く音しか聞こえない。
Aもそれに気付いたらしく、暫らく3人とも沈黙していた。
俺「…やっぱ原因はBの言ってた石のせいだよな?」
A「…だよな」
俺達は外に出て何が起きているのかを確認する勇気もなく、そのまま
寝る事も出来ずじっしとしていると、どれくらいの時間が経ったか解らない
が足音がしなくなった。
続く
「くぁwせfrtgひゅじこlp;@:」
と、隣のテントから留学生2人の物凄い悲鳴が聞こえてきた。
何と表現したら良いのか、言葉で表現できない悲鳴だった。
俺達が声に驚いてビクッとなっていると、悲鳴に続いて隣の
テントで何かが揉みあうような音と、2人が何か懇願するような声を
挙げている。
俺達は流石にまずいと思い、3人で目配せすると、勇気を振り絞って
懐中電灯を片手にテントの外に出た。
外の様子をみたとき、そこで絶句して固まってしまった。
隣のテントから2人は引きずり出されおり、2人は地面に頭を抱えてうずくまり
彼らの国言葉でなにか叫んでいる。
異様なのはその周囲で、2人の周囲にはボロボロの服を着た青白い
顔の人々が十数人群がり、無言で留学生2人の体に何か黒っぽいものを
を塗りたくっている。
暫らくそのボロボロの服を着た人たちはその行為をし続けていたが、
不意にそれを止めると一斉にこちらを振り向いた。
その後の記憶は俺達にはない、気が付いたら朝になっていて、俺と
AとBは自分達のテントに寄りかかるような形で気を失っていた。
気を失う前、CとDに群がる人たちの顔を見たはずなのだが、俺達
3人にはどんな顔をしていたのか全く思い出せなかった。
続く
体全体に黒い液体を塗りたくられたらしく真っ黒で、塗りたくられていた黒い物は既に
乾いていたが、生臭い臭いがしておりとても近付けないほど臭い。
とにかく2人には川で体を洗うように言うと、がたがた震えて泣きながら
体と服を洗っていた。
俺達はテントをその間にテントを片付け、2人に石はどうなったか?と聞いた。
するとCが自分のリュックを指差したため中を見てみると、タオルに包まれた石が
入っていたため、とにかくこれを返しに行き謝罪しようとBが言った。
しかし、彼らの反応は酷かった。
D「行くならお前達で行けよ」
C「お前達がここに連れてこなければこんな事にはならなかった、お前達のせいだ!」
A「ふざけんな!お前らがBの言う事聞かずに石をもってきたからこんな事になったんだろ!」
俺「そうだ、お前らが原因なんだから石を返して謝罪するのは当たり前だろ」
CとDはなおも食い下がり頑なに石を返しに行くのに同行するのを拒否し、顔を
真っ赤にして激怒しながら俺達に殴りかからんばかりに「お前達のせいだ」と叫び続けた。
するとそれを黙ってみていたBが
B「もういいよ、ならCとDは勝手にしろよ、俺達で返しに行くから」
呆れたように言うと、一人で石をもって川の上流へ向かったため、俺とAは仕方な
く口論をやめてBについていく事にした。
CとDはその間に自分達の荷物をまとめて帰ったらしい。
続く
確かにBの言っていたように何か雰囲気がおかしい、ここだけ空気が違うというか、言葉では
うまく言い表せないがとにかく妙な気配のする洞穴だった。
俺達は昨晩のこともあったため怖かったが、このままにしておけないため洞穴の奥に進み
石を祠に戻した。
祠の近くに破れたお札が落ちていたので、それで効果があるのかは解らなかったが、
やらないよりはマシだろうと、もってきていたガムテープでお札を可能な限り原型にもどるように
張り合わせて元あった祠の扉に貼り付け、3人で手を合わせて謝罪して帰路についた。
続く
俺達には直接的には何も無い。
夏休みが終わり、9月になって大学へ行くと、留学生2人がBに「お前のせいだ!」と殴りかかって
きた事と、その他諸々間接的に色々と事件が起きたが、それはまたの機会に書きます。
結論を書くと留学生2人は最終的に学校を自首退学し帰国した。
その後2人がどうなったのかは知らない。
一つだけ言えることは、「あれだけでは済まなかった」という事。
そして結局祠とその中の石が何だったのかは解らなかった。
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