何故か女にしか強い力が付かないから、昔から珍しい事に当主は女ばかり。
引用元: ・死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?276
私の家は昔は陰陽師?拝み屋?みたいな事をやっていて、苗字も特殊だったりする。
何故か女にしか強い力が付かないから、昔から珍しい事に当主は女ばかり。
でも最近は色々な血が混ざってしまって払えるのは祖母だけになってしまって、
昔の形は遠に薄れてしまったので父も含め祖母の息子は普通の仕事についてる。
だけど何故か珍しく力を持ってしまって生まれたのが私。
何代目か解らないけど、強い力のある人の命日に生まれたせいだと祖母に言われました。
そんな家だった事や私の力の為に、幼い頃は毎日の様に怖い思いをしました。
それに、割と霊と言うのは波長が合わないと見えない物で
クラスメートは当たり前ですが両親にまで嘘吐きと言われて居ました。
そんな時代でしたから、ある日イジメられ祖母に絶対行くなと言われていた廃墟の様な神社の社に
閉じ込められてしまいました。
きっと名前を出すだけで泣いていた私を面白がって居たんでしょうね。
入って数10分ただただ、出して欲しいと叫びましたが。
不意に外から聞こえて居たイジメっ子達の声が止んでしまいました。
不意にひんやりとした空気が私の頬を掠めました。
不思議と気持ち悪いと言う感覚は有りませんでした
中性的だけど鈴の様な綺麗な男性な声だった様な気がします。
そして彼(?)は私の祖母の言いつけで伸ばしていた長い髪に触れました。
『綺麗だ、ほしい』
淡々と淡々と彼は喋ります。
不意に恐怖心を感じました。
祖母に『お前の魂は空っぽだから、異質な物にとって栄養になる。
だからお前が食われそうになったその時は髪を切り与えろ』と言われたのを思い出しました。
何度も反響する様に頭の中でほしいと言う言葉が響きます。
震える声で背後の彼へと声を掛けました。
「髪なら髪なら良いです」
言い終えるか否かの瞬間背後からくちゃーと言う涎の様な声が響き次の瞬間首が涼しくなりました。
嗚呼食べられてしまったんだなと思いながら膝が震え倒れそうになりました。
けれど彼の手でしょうか腰元を支えられゆっくりと下ろされました。
私はお化けと言う様な物に触られた事がなく少し驚き乍も体内の熱が奪われていくのが分かります。
起きた時私はいじめっ子の背中に居ました。
彼らは泣いていて、その声に一瞬気を取られていましたが背後から足音が聞こえてきました。
いじめっ子達は私を神社から出そうとする時、扉が開かず、
また出てきた私が髪が短くなっていた事…倒れていたに驚いて居た様でした。
また、彼等は真っ白い靄の様な物に追いかけられたと言う話をしていました。
私は早く帰らなきゃ行けないと思っていたので、
彼等に声を掛けようとしたのですが口が開かないのです。
徐々に視力もぼやーっとしてきます。
聴力だけが以上に敏感になり耳元に背後から聞こえる足音が大きくなります。
私は思いっきり私を背負う男子を叩きましたそして背中から降りると
いじめっ子の腕を取り走りました。
足音は大きくなります。
直感的に私の視力がなくなったら、私は死ぬし彼等も死ぬと幼い乍に恐怖を抱きました。
大きな門がぼやけて見えます。
その前には祖母が立っています。
何故か祖母だけがはっきりと見えます。
安堵で祖母に向かって走ろうとします。
けれど祖母は鬼の形相で叫びました。
「アンタが最後に入る様に二人を門に放り込め!」
私はただただ怖くて二人から手を離し二人の背中を押し門へと飛び込みました。
そして最後に祖母が入ってきます。
中にはいじめっ子二人の母親が白装束で立っていました。
「神社に行ったね」
祖母が怒鳴ります視力も声も戻らず口を魚の様にぱくぱくする事しか出来ません。
祖母の指先が唇にふれ次に胸元から真っ赤な独特の匂いのする紅が口元に塗られました。
不思議と声が出ます。
言い訳混じりに言葉を続けましたが聞いてくれず、
いじめっ子を含め本家のお経で固められた一室に、通されます。
さっき追いかけてきたのが「神」だと言う事。
昔流行っていた神社の神だが、
飢饉に陥ったさい生贄を与えてしまったのがきっかけで病んでしまって居る。
私はは気にいられて影を食べられている(確かに私の影は無かった)
食べられたのは髪では無くて私が生まれつき付けている神である事。
私の視力が戻らないのは神が付いていないから。
私は神が憑いていなければ三つの時死ぬ子だった事。
今しゃべれるのは祖母の力で完全に戻ってるわけじゃない事。
また神社の神のお気に入りの子を虐められた為祟られている事を祖母から聞いた。
そして最後に私に神下ろしを行う。と口にした。
最悪の婆いじめっ子達の母親が呼ばれたのは自分の息子達の代わりの贄になる為だった。
私もいじめっ子もしてしまった事に後悔して泣いていた。
そして祖母は私に真っ直ぐ言った。
「お前に変わりは居ない。お前と同じ霊力のやつも居ない。
死ぬかもしれない …流石の私も神は払えない。だからお前の中に彼奴を下ろす。
良いかお前の気持ちが邪な物に落ちなければ…きっと大丈夫」
私はアレが自分の中に落ちる事が怖くて泣いた。
けれど祖母に今のままなら祖母が死んだ時、食われてしまうと。
また私に下ろさなければいじめっ子も危ないと。
そこまで言うと頷く事しか出来ない。
私と祖母だけで門の外に出ることに。
私は門を潜った瞬間何も見えなくなって…倒れてしまった。
意識がなくなってからどうなったか解らないけど、起きた時。
私の部屋と銘打たれた本家の一番奥で寝ていた。
ずっと髪を撫でられてた気がしたが周りには誰も居らず。
起きあがると祖母が入ってきてただ一言「居る」と言った。
でも変な感じはしなかった。
嗚呼髪を触っていたのは彼かとすら思えた。
その後一週間私は禊ぎをさせられ夜になると祖母が寝るまで付いていてくれました。
その一週間私は毎日夢を見て、彼の記憶だったのかは解らないですけど
人を食べてしまった日の彼の悲しみが何度も襲いかかってきた。
ただの夢だったかも知れないけど、彼は人間を愛していたんだなと思ったし
私が髪を上げるなんて言わなきゃ素直に返してくれるんじゃないかって、
凄く辛くなったし悲しかった。
以上で私に憑いている彼の話はおしまいです。
まだまだ変わった話は有るのですが。彼が付いてからは少なくなっています。
今私は高校生ですが、何れ祖母の仕事を告ぐのかなと今は思っています。
また需要があれば他の事も書き込みたいと思います。
では読みにくい文章だったとは思いますが最後まで読んで頂きありがとうございます。