3年くらい前の話。
俺の仕事の勤務時間が昼から深夜(だいたい2時か3時)で、
終電に間に合わないので、練馬区の仕事場付近に部屋を
借りて自転車で通勤してた。
時期は梅雨に入ったばかりくらいで、まだ寒かった。
その日はバケツをひっくり返したようなざんざん降りの雨だった
けど、前に傘さし運転でおまわりさんに注意されてるし、
部屋も5分位の距離だったので、傘をささずに強行突破してた。
そしたら、前方から自分と同じ様に傘なし自転車のやつが
ものすごい蛇行しながら向かって来た。
明らかに普通じゃないくらいの蛇行で、気味が悪かった。
狭い道路だったけど2車線通れる道路の、端から端まで
くらいをぐいんぐいん来た。
確かにその道路は住宅地の中で車は殆ど通らないし、
片側は塀で何かが飛び出て来るとは考え辛いが、危な過ぎ。
しかも、そいつが着てるのは青いTシャツにハーフパンツ。
これは完全に池沼だなと思った。
雨で視界も悪いし、ぶつかったらどうしてやろうかと考えながら、
だんだん近づいて来た。
それでもまだ蛇行。
ぶつかるかと思ったが、物凄い至近距離ですれ違った。
顔が見えた。
正確には顔は見えてないが。
なにもない真っ黒だった。
反射的に振り返ってしまったのだが、後頭部に顔があった。
一瞬だけだったが、真っ白い顔が笑っていたように見えた。
後ろからやつが着いて来ている感覚があって、
恐くて全速力で家に帰った。
思い出すと今でも鳥肌が立つくらい不気味だった…。