都道府県の怖い話

【千葉県の怖い話】廃墟に潜む自殺した母親

782: 本当にあった怖い名無し 2009/04/21(火) 23:43:05 ID:Cby9Ydqv0

あえて地名を出すが、
千葉県市川市の某所に、さびれた神社がある。
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その神社を中央にして、500mくらいの直線の出入り口があり、
ヨシ君宅から遠い出口付近に、
廃屋となった建物があった。

当時の少年達の間では、その家の話は禁忌とされていて、
「近づくと呪われる」
「白い服を着た女の霊が出る」
などと、今思うとバカらしい噂がたっていた。

でも実際そこに足を踏み入れたつわものも数多く、
勇気を示す場としても、有名な場所だった。

 

783: 本当にあった怖い名無し 2009/04/21(火) 23:47:53 ID:Cby9Ydqv0

誰が言い出したか覚えてないが、いつのまにか、
俺達はその廃屋へ行って、勇気を示さなければならない。
という話になっていた。
もちろん3人の間だけでの話だ。

そして某日、そこに俺達は足を運んだ。
恐怖と、子供特有の高揚があったと思う。
とにかくドキドキしていた。

その廃屋は、周囲が全て雑草で覆われていて、
整理されていればかなりの広さの庭があったのではないかと思う。
そして、その庭の周りは、大きな木で囲われていた。

 

784: 本当にあった怖い名無し 2009/04/21(火) 23:50:56 ID:Cby9Ydqv0

誰から入ったかは覚えていない。
何しろドアがついていなかった。

覚えているのは、ヤッちゃんがやたらと怖がって泣いていたのと、
異常に古そうな新聞紙が散乱している一部屋があった事。
そしてヨシ君が蒼白な顔で、
「もう帰ろう」と言い出した事。

ヨシ君は年長者だったので、3人のリーダーだった。
そうして初めての探検は終わり、
泣き止まぬヤッちゃんの手を引いて、俺達は家へと帰った。

 

 

785: 本当にあった怖い名無し 2009/04/21(火) 23:54:15 ID:Cby9Ydqv0

その時泣きじゃくっていたヤッちゃんを、
俺達は「弱虫」というレッテルを貼ってからかった。

だからだと思う。
ヤッちゃんはもう一度あの廃屋へ行きたいと言い出したのだ。

俺はその日に限って従兄弟が家に来ていて、
参加する事が出来なかった。
怖かったのもあったので、参加出来ない事を喜んでいたと思う。

事件が起きたのは、その日だった。

 

786: 本当にあった怖い名無し 2009/04/22(水) 00:03:17 ID:KMxNK4X00

その廃屋で、ヤッちゃんの母親が自殺した。
首吊り自殺だった。

目撃したのはヤッちゃんとヨシくんの二人。
俺が参加していれば、3人になっていただろう。

とにかく、どうやって対応したのかは分からないが、
警察やらが集まり、結構な大騒ぎになった。

正直、その話を聞いたのは翌々日くらいだったと思う。
その廃屋と俺の家が少し離れていたのもあって、
パトカーのサイレンが鳴り響いていた記憶が無い。
夏休みという事もあり、噂話が届かなかった。

 

787: 本当にあった怖い名無し 2009/04/22(水) 00:09:01 ID:KMxNK4X00

それ以来、当然というか、ヤッちゃんと顔を合わせなくなった。
俺はヨシ君と二人で遊んでいたが、
段々気まずくなり、少しずつ遊ぶ回数が減っていた。

夏休みが終わり、学校が始まったが、
ヤッちゃんは登校してこなかった。
その頃にはもう噂は広まりきっていて、
ヤッちゃんが登校しない理由は、
暗黙の了解で誰も触れる事をしないようになっていた。

俺は毎朝ヨシ君とヤッちゃんと3人で登校していたので、
それからはヨシ君と2人で登校する事になった。
取り除けないしこりを持ちながらも、
俺達は精一杯楽しくなるよう、登校していたと思う。

だが、ある日突然、ヨシ君が変わった。

 

788: 本当にあった怖い名無し 2009/04/22(水) 00:15:21 ID:KMxNK4X00

登校の待ち合わせ場所に行くと、
下を向いて俺を待つヨシ君。

「おはよう」と言っても、返事は無く、
「どうしたの?」と言っても、返事は無い。
だが、以前と同じように登校する。
変わったのは、口数が異常に減った事。

先の事件が関係しているのではないか。
と思うのは、子供でも間違いなく感づく。
俺はしつこく彼に詰め寄った。

何があったのか
ヤッちゃんが関係しているのか
あの廃屋が関係しているのか

しまいには、話してくれないなら絶交する。などと、
なんとも惨い事も言った。

するとしばらくして、彼がぽつりぽつりと話し始めた。

 

789: 本当にあった怖い名無し 2009/04/22(水) 00:22:28 ID:KMxNK4X00

ここから先は俺にも真実のほどは分からない。
だが、ヨシ君がこう語った。

先日彼は、ヤッちゃんの姉と同行した。
姉はヨシ君と同い年で、彼女からの願いで、
あの廃屋へ連れて行ったのだという。

だが、彼女は少し知恵遅れ的な様子で、
事の重大さは分かっていなかったのではないかと思うが、
とにかく2人で廃屋へ行ったのだと言う。

そして扉の無い玄関をくぐると、ヤッちゃんがいたらしい。
天井を見上げたまま、
「アーーーーーーーーーーーーーーー」
と気の抜けた声を出し、
その視線の先には、ヤッちゃんの母親がいたと言う。

当然すでに現場にヤッちゃんの母親の遺体があるわけもなく、
今起きている状況の異常さに、ヨシ君は逃げ出そうとした。
だが、後ろにいたヤッちゃんの姉がヨシ君の手を引っ張り、

「誰にも言っちゃ駄目だよ」
と言ったらしい。

 

791: 本当にあった怖い名無し 2009/04/22(水) 00:26:15 ID:KMxNK4X00

誰にも言ってはいけない話を俺にしてしまった。
俺が絶交するなどと言ったばかりに。

そして全て話したヨシ君は泣きじゃくって、
「どうしよう どうしよう」と喚いた。

俺はどうする事も出来ず、
ひどい事をしたと思うが、家へと逃げ帰った。

登校拒否児となってしまったヤッちゃんは、
どこかへ転校してしまい、それ以来会っていない。

そうしてヨシ君とヤッちゃんとの関係は、
一気に疎遠になってしまった。

それから数年がたち、俺が高校生になってしばらくした頃だった。
久しぶりに、ヨシ君から電話があったのだ。

 

795: 本当にあった怖い名無し 2009/04/22(水) 00:36:32 ID:KMxNK4X00

小学校低学年の時から数えて、
もう何年も話していないので、何を話していいか分からない相手だ。

久しぶり。と挨拶して以降、会話が続かない。
そうこうしていると、ヨシ君が切り出した。

「この間さ。マリちゃんから電話があったんだ。」

俺は何のことか全く分からなかったが、
記憶を総動員し、マリちゃんがヤッちゃんの姉だという事を思い出した。
そしてヨシ君は続ける。

「前話した空き家の事を覚えてる?
マリちゃんが○○ちゃん(俺の名前)にあの事を話したのを怒ってるんだ」
という。

つまり、彼女は何故か、ヨシ君が俺に、
廃屋で体験した話をした事を知っていて、
誰にも言っちゃ駄目だと言ったのに話したのを怒っていると言う。

「どうしたらいいかな?マリちゃんが怒っているんだ。
俺、マリちゃんに言わないでって言われたのに。
どうしたらいいかな?」

何度も何度も、壊れたテープレコーダーのように繰り返すヨシ君。
俺は怖くなって電話を切った。
二度とヨシ君からは電話はかかってくる事は無くなった。

何故かと言うと、その後しばらくして、
ヨシ君は猟銃で頭を撃って自殺したからだ。

 

796: 本当にあった怖い名無し 2009/04/22(水) 00:38:27 ID:KMxNK4X00

何故猟銃を所持したいたかは分からないが、
うちの親の話によると、ヨシ君の親が趣味で猟をしていて、
それでその猟銃を使ったのだと言う。

そうして、俺の中での○○神社廃屋事件は幕を閉じた。

 

 

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